Cセグメント・ハッチバックがベースのSUVながらプレミアム層をターゲットとするDS 7がフェイスリフトを受けた。日常的にシトロエン・エグザンティアに乗っている、エンジン編集部のウエダが報告する。お見事な変身先日ポーランドを旅した時に、あるシトロエン乗りと数日をともにした。BXで目覚め、今はXMとエグザンティアを所有する好き者だ。その彼が、社用車として日々乗っているのがDS 7クロスバックだった。仕様は1.6リッターガソリン4気筒ターボでサスペンションは純機械式。ほぼ直線しかない彼の地の高速道路を、まるで速度無制限のアウトバーンのように飛ばしまくったが、足まわりが思いのほかタフで、振動や突き上げ自体はあっても細かな揺れが少なく、総じて嫌な感触が伝わって来ず、さすが好事家の選択、と唸らされた。シートは手動だが座面が伸びて膝の裏までしっかり支えるし、やや寝そべる姿勢で身体を保持させながら、ステアリング・ホイールの下の方を持っていると落ち着くところなんか、ちょっとかつてのシトロエン的じゃないか? そんなマニアックな話で道中盛り上がった。
そんなDS 7クロスバックは2018年7月に日本市場に導入を開始。当初はFWDの1.6リッターガソリンと2リッターディーゼルの2モデルだったが、2021年2月に1.6リッターガソリン+前後2モーターで4WDのPHEVが追加された。そして先日フェイスリフトを受けて、DS 7と改名。同時にFWDのディーゼルのみラインナップから外れている。クルマのデザインは初期型にこそストレートに思想が現れやすく、フェイスリフトで成功することは珍しいと思っていたけれど、DS 7は貴重な例外かもしれない。ポーランドの彼には気の毒だが、DS 4からはじまった“くの字”型のLEDシグネチャー・ランプと、クロームの縁取りを廃したグリルによる新しい顔は、きらびやかでグッドルッキン! ディテールの1つ1つは手が込んでいるのに、全体で見るとビジーな印象を受ける改良前の顔から見事に変身した。C4カクタスにはじまったシトロエン独自のグリルとライトの一体化構造や、プジョーの牙のようなLEDなど、近年のステランティス内のフレンチ3ブランドの差別化は、本当に上手だと思う。
いっぽうLEDを編み合わせたテールランプや、始動時に現れる回転式時計、ウォッチベルトのようなシート・トリムなど、凝りに凝った仕立ては踏襲された。左右2列で並ぶ中央コンソールのサイドブレーキと窓の昇降スイッチは、スタイリッシュだが指の感触までほぼ同じで、一見さんなら一瞬戸惑う。実際、僕は走行中に間違えてサイド・ブレーキを引きかけてしまった。でも、そういうところをさらりと使いこなすのがいいんだよ、などといって、好き者たちは凝った機構こそ望むところ、と喜ぶのだろう。
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
いますぐ登録
会員の方はこちら