2023.05.12

CARS

思わず振り向いてしまう超個性的なデザイン(でもオラオラ顔じゃない)! フェイスリフトしてさらに存在感が増したDS 7に試乗!

DS 7オペラEテンス4×4

全ての画像を見る
切れ味のいいパワートレイン

advertisement


機械的な中身も、凝ってはいるが変化はほとんどない。PHEV同士で比較すると、1.6リッターエンジンと2つのモーターによる300ps/500Nmのシステム出力&トルクも、56kmというフル充電時のモーターのみの航続距離も、後席下の13.2kWhのリチウムイオン電池の容量も、まったく変わらない。エレクトリック、ハイブリッド、コンフォート、スポーツ、4WDという5つの走行モードも同じ。日本仕様のDS 7クロスバックはカメラで路面状況を常時スキャンし電子制御するダンパーが標準装備だったが、DS 7でも変わらない。



発進時は後輪駆動で、そこから電池がある間は極力モーターがこなし、ほぼエンジンの存在は感じさせない。クルマを借り出した東京・目黒から一般道で撮影地の横浜港湾エリアに到着するまで、デフォルトのハイブリッド・モードでは一度もエンジンは始動しなかった。電池がなくなるとモーターと内燃機は協調制御をはじめ、望み通りの自然な加減速が得られるし、回生と機械式ブレーキの感触も違和感はない。クールな見た目によく似合う、緻密かつ切れ味のいいパワートレインだ。

コンフォート・モードにすると作動するというカメラによる足まわりの制御は、他のモードとの差が少なく、高速巡航をあまりしなかった今回の試乗では正直メリットを感じられなかった。少なくとも、路面のうねりをいなすように走る、かつてのシトロエンの油圧回路を用いた足まわりのようなものではないと、僕は思った。けれど、車体とサスペンション構造の骨太な印象はポーランドで感じたものと基本同じだったから、むしろ純粋な機械式の安価な足まわりが、日本仕様でも設定があってもいいかもしれない。

そう考えたのは、車両価格が5年前の純エンジン車同士の比較で約150万円、2年前のPHEV車同士で比べても67万円引き上げられているからだ。スタイリッシュな見た目の対価としてはかなり割高だけど、少なくとも好き者の彼の地のシトロエン&DS乗りなら、喜んで乗り換えると言いそうだ。この独自のカタチときらびやかさは、それだけの吸引力が備わっている。

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=阿部昌也

■DS 7オペラEテンス4×4
駆動方式 フロント横置きエンジン+前後2モーター4輪駆動
全長×全幅×全高 4590mm×1895mm×1635mm
ホイールベース 2730mm
トレッド(前/後) 1655/1605mm
エンジン 水冷直列4気筒DOHCターボ
排気量 1598cc
最高出力(前/後モーター/エンジン) 81kW/83kW/147kW/6000rpm
最大トルク(前/後モーター/エンジン) 320Nm/166Nm/300Nm/3000rpm
トランスミッション 8段AT
車両重量 1940kg
サスペンション(前) マクファーソンストラット
サスペンション(後) マルチリンク
ブレーキ(前/後) 通気冷却式ディスク/ディスク
タイヤサイズ(前後) 235/45R20
車両本体価格(税込) 799万円

(ENGINE2023年6月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement