2023.06.07

CARS

文句のつけようがない完成度! 新型BMW X1に加わったEVのiX1、国産EVの驚くべき強敵です!!

BMWの末っ子SUVであるX1がフルモデルチェンジ。3代目に進化したのにともない、EVモデルのiX1が設定された。ガソリン車と変わらぬ内外装を持つEV仕様の出来栄えは? モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

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自慢のカーブドディスプレイ

本格的EVには専用プラットフォームが必須、というわけでもないということを証明しているのが他メーカーとはちょっと違う戦略を採っているBMWである。見た目はガソリン・エンジン車もEVも事実上同じ、ボディ・サイズも変わりなし、それでいながらどちらも文句のない完成度である。コンパクトSUVのX1はこの2月に発売された新型で3代目だが、同様にこのセグメントではBMW初の純EVモデルと2.0リッター直4ガソリン・ターボ・モデルの2本立てである。日本仕様ではそれぞれにXラインとMスポーツの2種のグレードが用意されるが、すべてxドライブ(4WD)。すなわちEVの「iX1」は前後に190psと247Nmを生み出すモーターを備える4WDである。66.5kWhのリチウムイオン電池を搭載し、WLTCモードの一充電走行距離は465kmという。

ステアリング・ホイール左のパドルはブースト用。

前後席とも十分なスペースがある。

グリルは大きくなったものの全体的にキープ・コンセプトの外観より、インストルメントまわりの変化が目立つ。最新のBMW各車と同じくメーターディスプレイとセンター・スクリーンを一体化した、いわゆるカーブドディスプレイを装備、インターフェイスも運転支援装置も最新バージョンだ。BMWは比較的物理スイッチを残していた方だが、新型が登場する度にディスプレイ上で機能を呼び出して操作する方式に変更されており、iX1でもお馴染みのiDriveコントローラーは姿を消し、エアコンなども独立した物理スイッチではなくタッチ操作に一新されている。時代ゆえに仕方のないこととはいえ、メーター表示そのものも簡潔で見やすく、必要な情報を呼び出しやすい以前のものの方がよっぽどいいのになあ、とつい愚痴もこぼれる。ステアリング・ホイールの左側のみに備わるパドルは当然ギア・シフト用ではなく、回生ブレーキ制御用でもない。ポルシェのブースト・ボタンのように、これを引くと短時間だけ(10秒間)よりパワフルに反応するブースト・スイッチのようだ。いっぽうで回生ブレーキのコントロール(強弱に加えてアダプティプ制御も選択可)はタッチスクリーンの中に収められている。

これまでは物理スイッチとして独立していた空調調整もカーブドディスプレイに収められた。

スムーズで逞しい

前後モーターを合わせたシステム最高出力は272ps、同最大トルクは494Nmというから、ガソリン・モデルより400kgほど重い2トン余りの車重ながら、4WDの瞬発力を活かした0-100km /h加速は5.6秒とかなりの駿足で、実際に街中から高速道路までどんな場面でもスムーズに逞しく走る。荒れた路面では若干ゴツゴツした突き上げがあるものの、基本的にフラットでこのクラスとしては上々の乗り心地。室内スペースなどにも大きなバッテリーを搭載する影響は見られない(後席フロアは若干高いようだが)。実用電費も優秀なようで、さらに電池残量や充電設定の情報も詳細に表示されるので安心できる。その上2モーターでパワフルな4WD、しかもMスポーツ仕様なのに車両本体価格は698万円と意外にリーズナブルである。ちなみにガソリン・モデルはXラインとMスポーツのどちらのグレードも586万円。ということは各種補助金を利用できればガソリン車との価格差はほとんどないという巧妙な値付けだ。というより、日本勢のEVにピタリと照準を合わせたような設定と言えるだろう。変革期には次々と強敵が現れるのである。

文=高平高輝 写真=望月浩彦



(ENGINE2023年7月号)

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