2024.09.23

CARS

自然吸気4リッター・フラット6の吸い込まれるような吹け上がり感は圧巻! 991型911GT3RSにニュルのグランプリ・コースで試乗【エンジン・アーカイブ「蔵出しシリーズ」】

991型ポルシェ911 GT3 RSにニュルブルクリンクで乗った!

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【エンジン・アーカイブ「蔵出しシリーズ」】ご存じ中古車バイヤーズ・ガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の過去の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている人気企画の「蔵出しシリーズ」。今回は、2018年7月号に掲載された最強ポルシェ、991後期型911GT3RSのリポートを取り上げる。国際試乗会の舞台となったのは、なんとニュルブルクリンクのグランプリ・コース。前日までずっと雨模様だったという話がウソのように晴れ上がった青空の下、史上最強の自然吸気フラット6を搭載する911に乗った。

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520psの4リッターフラット6


初夏のニュルブルクリンクは天候が変わりやすいことで知られている。今年の24時間レースが行なわれた5月半ばの週末も、レースの行方を大きく左右する豪雨がこのサーキットを襲い、結果としてそれが総合優勝を遂げたポルシェにとっての恵みの雨となったことはご存じの通りだ。



しかし、私としてはその日だけはどうしても雨には降って欲しくなかった。24時間レースの2週間前の4月下旬、ニュルで開かれたポルシェの国際試乗会に参加した日のことだ。実はその前日も前々日もニュルの天候はすぐれず、ほかの国からやってきたジャーナリストの中には試乗がかなわずに帰った人もいたと聞いていた。それだけにこの日、朝から晴れ渡った空を見た時には、心から感謝したい気持ちになったものだ。

なにしろ、試乗するのは520psの4リッターフラット6を積んだ最新最強の自然吸気ポルシェ、911GT3RSなのだ。直前の4月16日にニュル北コースで記録したラップタイムは驚異の6分56秒4!これがどれほど凄い数字か。20.6kmのこのコースで7分を切るのは、ポルシェの市販車としては918スパイダーと新型911GT2RSに続く3台目。とはいえ、918は608psの4.6リッターV8に電気モーターを付加してシステム総合出力887psを誇るハイブリッド・スーパースポーツカーだし、GT2RSだって3.8リッターフラット6をベースにしているとはいえ、可変ジオメトリー付きのツインターボで武装して700psを叩き出すモンスター・スポーツカーだ。

それに対してあくまで自然吸気フラット6に固執しながら918の6分57秒を僅かながら上回り、GT2RSの6分47秒3に9秒1まで迫ったところにポルシェのエンジニアたちの執念を感じないわけには行かない。素のカレラまでもがターボ過給となった今となっては、もはやスポーツカー界の絶滅危惧種ともいえる存在でありながら、それをとことんチューニングして、先代の991前期型GT3RSをなんと24秒も上回るところまでタイムを削ってきた彼らの努力には本当に頭が下がる。


それだけに、その実力をとことん味わい尽くせるような状況で乗りたいと思ったのだ。ドライの路面はそのためには必須のものだった。

試乗に使われたのは北コースではなく、1周5.148kmのグランプリ・コース。私はこれまで北コースは走った経験があるが、こちらは初めてだ。10の右コーナーと7の左コーナーを持ち、大きな高低差があるこの高速コースを、それぞれ8周する権利がジャーナリストに与えられた。試乗はインストラクターの運転する先導車つきで、その後を1台の試乗車が追走する。最初の1周はコース状況を見るための導入ラップ、次の3周が高速ラップ、そして一度ピットインしてクルマをチェックした後、再び3周の高速ラップ、最後にクールダウンして終了である。

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