2023.06.05

CARS

ルノー・アルカナE-TECHが新グレードに刷新 印象がガラリと変わって、落ち着いた大人の雰囲気になった!

ルノー・アルカナE-TECHハイブリッド・エンジニアード

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ルノー初のSUVクーペ、アルカナE-TECHのグレードが、R.S.ラインから日本初登場となるエンジニアードに変更。落ち着いた大人の雰囲気が漂う新機種に早速試乗してみた。モータージャーナリストの森口将之がリポートする。

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先進性とエレガンス

ルノー独創のE-TECH(テック)ハイブリッド・システムを搭載したSUVクーペのアルカナに、エンジニアードと呼ばれる新しいグレードが登場した。今後もマイルド・ハイブリッド仕様として販売されるR.S.ラインが、ルノー・スポールのエッセンスを取り入れたのに対し、こちらは先進性とエレガンスをアピールするグレードとのことだ。



ボディ・カラーもそれを示していて、いずれもモノトーンの3色。その中からグリメタルMと呼ばれる新色をまとった1台を前にして、まずはフランスらしいセンスのコーディネートに感心した。フロント・マスクのF1ブレード、サイド・シル、ホイール、ツイン・エグゾースト・フィニッシャーにはウォームチタニウムカラーの差し色が入り、フロント・グリルとリア・スポイラー、エンブレムとスキッド・ガードはグロスブラック仕上げになっている。

思い浮かんだのは、かつてルノーがコンパクト・カーをベースに仕立てたプレミアム・モデル、サンク・バカラだ。見た目の演出は控えめではあるけれど、デザインやカラーが洗練されているので、結果的にはゴテゴテ飾り立てた車種より、むしろ高級だと感じるところが共通している。

既存のR.S.ラインと比べると、赤だった差し色がウォームチタニウムカラーになったことで、別の車種かと思うほど落ち着いたイメージになった。価格は469万円。

製品のラベルにあたるエンブレムをクロームメッキなどで目立たせず、あえてブラックアウトするというのも、なかなかできないことだ。大胆な手法で美しさを極める。これもまたルノーらしい、フランスらしい手法だと共感を抱いた。

インテリアでは、インパネやステアリングのアクセントライン、シートやドア・トリムなどのステッチがウォームチタニウムカラーでドレスアップされる。R.S.ラインではこれらが赤で統一されていたので、雰囲気は一変。エクステリア以上にエンジニアードのコンセプトを表現できていると感じた。



走りの質もレベルアップ

1.6リッター直列4気筒エンジンに2つのモーターを組み合わせ、エンジン側にはドッグ・クラッチを用いた4段、メイン・モーターには2段のトランスミッションを用い、合わせて12通りの走行モードを持つというE-TECHハイブリッドをはじめとするメカニズムはこれまでのアルカナと共通。しかし記憶の中にある日本導入直後の車両と比べると、洗練度が増している。とりわけE-TECHハイブリッドは、持ち前のダイレクトなフィーリングはそのままに、ギア・チェンジが滑らかになり、シフト・タイミングも日本の道路事情に見合ったものになっていた。全般的に静かになっていたことも特徴で、走りの質がレベルアップしていると感じた。

速度を上げていくにつれてルノーらしいしっとり感とフラット感が増してくる乗り心地、背の高さを感じさせない自然なハンドリングはいままでどおり。高速道路では運転支援装置の信頼できる作動感と、ルノー伝統の優れた直進安定性のコンビネーションで、どこまでも走っていけそうという気持ちにさせてくれる。

燃費の良さも健在で、東京都内のドライブなのにコンスタントに20km /リッター以上をマークした。エレガントなだけでなくクレバーでもあるアルカナE-TECHハイブリッド。そのキャラクターにエンジニアードの仕立ては似合っていると思った。

文=森口将之 写真=望月浩彦



(ENGINE2023年7月号)

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