2023.07.11

CARS

ノア/ヴォクシーのガチのライバル、新型日産セレナe-パワーに試乗! 自動車評論家、国沢光宏の軍配はどちらに?

日産セレナe-パワー・ルキシオン

全ての画像を見る
新型日産セレナのe-パワーに試乗した。発電用エンジンをノート用の1.2リッターからハイブリッド専用の1.4リッターに変更した新型日産セレナe-パワーの走りはどのようなものだったか? モータージャーナリストの国沢光宏がリポートする。

走りのクオリティがアップ。

「日本の特産品」と言って良いのが、セレナのようなミドル・クラスの背高ミニバンである。同じようなカテゴリーのクルマは世界中探しても存在しないから興味深い。全長4.7m×全幅1.7mというコンパクトなサイズながら、大人6人がゆったり座れるキャビンを持つ。道路事情や駐車環境が悪い日本だとけっこう便利な存在だ。このカテゴリーの売れ筋モデルであるセレナが新しくなり一般道の試乗会が行われたのでレポートしてみたい。ちなみに、日産にとっても軽自動車を除けば販売台数の4分の1を占める貴重な存在だそうな。

日産セレナe-パワー・ルキシオン

日産セレナe-パワー・ルキシオン

日産セレナe-パワー・ルキシオン

今回試乗するのは市場投入が遅れていた日産式ハイブリッド「e-パワー」モデル。発電機を駆動するエンジン排気量が先代より200cc大きい1.4リッターになり、駆動モーターも136psから163psへパワーアップした。Dレンジをセレクトして走り出すと、なるほどいろんな意味で余裕が出ている。タイヤが4~5回転するまでエンジンが掛かることなくグイグイ走り出す。やがてエンジンが掛かるのだけれど、その時には車速も出ており騒音レベルも上がっているため気づかないほど。エンジンそのものも振動と騒音を抑さえるバランサーが付いたため静かでスムース。開発担当者に聞いてみたら「先代はとにかくe-パワーを載せろ」ということで400kg以上軽いノート用に開発した1.2リッターユニットを使ったため、なかなか厳しかったという。新型はパワーアップしエンジン単体のクオリティを向上させた結果、クルマそのものの質感まで大幅に上がった。パワーユニットだけでなく、脚まわりも大幅に見直していた。パワーステアリングは上級モデルと同じく、ラックをモーターで直接動かすタイプにして操舵感を改善。タイヤ・サイズも大きくするなど、2005年から使い続けている古いプラットフォームを上手にリフォームしている。

日産セレナe-パワー・ルキシオン

試乗車には手放し運転が可能なプロパイロット2.0が付いていたので新東名の120km/h区間で試してみた。GPSの電波をキャッチできないトンネルの中を除けば手放ししたまま車線をトレースして走り続ける。自動運転の入り口ですね。ドライバーの目線を常時カメラでウォッチしているため、居眠りやよそ見をしたら警告が出ます念の為。そんな新型セレナながら、購入するとなったらノア/ヴォクシーと悩むことだろう。迷った時のポイントは3列目シートの収納を含めた使い勝手と、ADASと呼ばれる運転アシストの内容。このあたりは新しいプラットフォームを使うノア/ヴォクシーに軍配を上げておく。いずれにしろこの2車種はガチのライバル。大いに迷って楽しんだらいいと思う。


文=国沢光宏 写真=宮門秀行

(ENGINE2023年8月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement