2023.08.07

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アルピーヌF1にオマージュを捧げるベル&ロスの最新作がピットイン! 秒針とダイアルのフランジの色など控えめなアレンジにセンスの良さを感じます【2023年、推しの1本はこれだ!】

『ENGINE』9・10月号では「2023年、推しの1本はこれだ!」をテーマに時計を大特集(後篇)。編集部が信頼する時計ジャーナリストと目利きたちで結成したエンジン時計委員会のメンバーのみなさんに、時計好きとしての原点に立ち戻って、2023年のイチオシの時計について、その熱い想いを打ち明けてもらった。

今回はベル&ロスから、BWTアルピーヌF1チームとのコラボレーションの最新作2モデルを紹介する。


控えめなコラボ
高木 教雄(時計ジャーナリスト)

ちょっとしたご縁があって「BR 03 92」を愛用している。フラットなスクエアケースは、実際に身に着けると幅広のストラップとも相まって予想外にフィット感が高かった。そしてBWTアルピーヌF1チームとのパートナーシップ提携の一報を目にした時に思ったのは、「レーサーのハンドルさばきを邪魔しないだろうな」。今年は「BR 05」からもコラボモデルが登場したが、こちらも試着した際、絶妙なラグのカーブによる優れた装着感に驚いた。ベル&ロスによる機能美の追求は、装着性にも配慮されているのだ。これら2つのモデルは、秒針のウエイトとダイアルのフランジの色だけでコラボであることを伝える、控えめさが好印象である。


情熱をブルーに宿して
柴田 充(時計ライター)

街を走っているアルピーヌA110を見かける度、やっぱりスポーツカーはいいなぁと憧れる。フェラーリやマクラーレンと違って、風景に溶け込んでいるのがいい。フランスのエスプリを感じさせ、その絶妙なさじ加減は「BR05 クロノ A523」にも通じるのだ。BWTアルピーヌF1チームとのパートナーシップにより、コラボ初のBR05ベースに、シンボルカラーでありレースのナショナルカラーだったブルーをあしらう。チェッカーフラッグ風の秒目盛りなどレーシングクロノグラフ譲りのデザインにもラグスポの洗練を崩さない。対して「BR 03-92 A522」は、まさにコックピットの計器。いずれも走り心を秘めつつ、ひけらかさないジェントルな佇まいがとても好ましい。

ベル&ロス
BR 03-92 A522
航空計器から着想した「BR 03-92」に、べル&ロスがパートナーシップを結ぶアルピーヌ F1 チームの世界観を表現。このモデルではアルピーヌA522を参照して、レーシングカーの特徴やグラフィックイメージを取り入れた。ブラックセラミックのケースを背景にして、スピードメーターを模したダイアルや、ブルーで彩ったフランジとAを配したセンターセコンドが映える。自動巻き。ケース縦42mm×横42mm、100m防水。世界限定999本。59万9500円。

BR 03-92 A522


ディテールに宿るセンス
野上亜紀(時計&宝飾ジャーナリスト)

個人的に好きな写真家にジャック=アンリ・ラルティーグがいる。彼は車の写真も撮っており、写真の黎明期に収められたその躍動感には、今もなお心惹かれるものがある。ドライバーを取り巻く光や影が調和し、一瞬の空気がぎゅっと詰め込まれているのだが、この時計を手にした時にも、そんな風景が少し蘇った。3針に関していえば、体感ではストラップのアルピーヌ仕様も含めた、手にしたときの軽さ。そして視覚的にはブルーの差し色と、アラビアン・インデックスがもたらすフォントのレトロ感。とにかくさりげなく、グラフィカル。クロノグラフも「BR 05」のコードに、それらの要素が見事にマッチしている。F1の疾走感を主張することなく全体に調和し、語り掛ける。これがベル&ロスのセンスなんだな、と。


なんでオシャレになるんだろう?
細田雄人(「クロノス日本版」編集部員)

プロダクトそのものに限らず、オフィシャル画像からSNSの使い方まで、随所に共同創業者のブルーノ・ベラミッシュのセンスが炸裂するベル&ロス。BWTアルピーヌF1が前身のルノー・スポール時代からコラボレーションモデルを手掛けており、個人的には毎年の新作発表が楽しみだったりする。特にコンストラクターがアルピーヌにリニューアルされてからのモデルは、アルピーヌらしい淡いブルーを差し色に使ったデザインが爽やかで◎。航空計器をモチーフにした「BR 03-92」ベースの「A522」や、クロノグラフを搭載する「A523」は一歩間違えれば男臭い時計になりかねない。それをオシャレにまとめ上げちゃうのが、このブランドのうまいところなんです。

ベル&ロス
BR 05 クロノ A523

2023年にアルピーヌとのパートナーシップ8周年を記念して、都会的なイメージの「BR 05」に初めてF1の世界を関連付ける。今回はアルピーヌA523を参照。タキメータースケールを配したインナーベゼルやクロノグラフ秒針、積算計の針にアルピーヌブルーをあしらい、チェッカーフラッグをあしらった秒の目盛りも印象的だ。自動巻き。ケース直径42mm、100m防水。ブレスレット仕様とカーフストラップ仕様合わせて世界限定500本。95万7000円。

BR 05 クロノ A523


写真=宇多川 淳

問い合わせ=ベル&ロス 銀座ブティック Tel.03-6264-3989

(ENGINE2023年9・10月号)

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