2023.09.23

CARS

日本伝統工芸と職人技 SUVルックになっても紛うことなきセンチュリーに仕上がった新型の外観を深掘りする

セダンから背の高いSUVスタイルへと誕生から56年目にして大改革を受けることになった新型トヨタ・センチュリー。セダンも併売されるものの、サブ・ネームを付けずに「センチュリー」の名前を名乗るということは、SUVタイプの新型は実質的な4代目と言っていいだろう。ここではそんな新型の構成要素を詳細に解説。まずはエクステリアに注目する。

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水平、垂直基調を踏襲

外観はこれまでのセダン・モデルにも通じる水平、垂直基調のラインで、ヘッドライトも片側4眼式を採用。サイド・ビューはリア部分が重厚なデザインで後席重視の佇まいになっている。



日本の伝統工芸を採り入れる

ボディ・サイドには段差をつけた処理が施される。これは「几帳面」と呼ばれ、日本伝統の家具の細工を参考にしたセンチュリーの伝統的な造形だ。几帳面で囲まれた部分はトヨタのルーツである織機の部品である杼(ひ)を象っている。

さらに、日本の伝統工芸にヒントを得て導入された新しいデザイン要素がある。そのひとつがフロント・グリルで、これは組子細工がモチーフになっている。また、Aピラーからルーフ・サイドにかけてのキャラクターラインは名刀、三日月宗近の刀身にある鎬筋と呼ばれるラインを参考にしたもの。プレスした裏からレーザーで加熱してよりシャープに成形するというトヨタ初の技術を用いて製作されている。



鳳凰エンブレムも健在

細部では、手作業箇所も多い。代表的なのがセンチュリーの象徴ともいえる鳳凰のエンブレムで、鳳凰の金型は江戸彫金の流れを汲む匠による手彫りだ。なお、セダンではゴールド仕上げだが、SUVではシルバーとなる。また、塗装面の鏡面磨きに加え、バンパーの素地も通常の10倍細かい1/1000mmまで手で磨き上げているという。

ボディ・カラーは標準色としてプレシャスホワイトパール+シルバーの「白鶴」、プロミネントグレー+シルバーの「黎明」、ブラック+シルバーの「麟鳳」の3色を設定。さらに特別色として、グローリーレッド+シルバーの「紅蓮」、プロミネントグレー+ブラックの「黎明 杼型」、プロミネントグレー単色の「黎明 単彩」とブラック単色の「麟鳳 単彩」の4色が用意される。



スライド・ドアにオープン・モデルも!?

なお、新型センチュリーは様々なカスタマイズに対応することがアナウンスされている。発表会で登場したグリーン系に塗装されたGRMN仕様はそれを具現化したもの。GRの特徴を盛り込んだ標準モデルとは雰囲気が大きくことなるスポーティなエクステリアのほか、リア・ドアをヒンジ式からスライド式に変更している。さらに、映像ではオープン・モデルが映し出されるなど、ユーザーの多彩な要望に応える可能性が示唆された。



文=関 耕一郎 写真=宮門秀行、トヨタ自動車

(ENGINE WEBオリジナル)

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