2023.09.25

CARS

アルファード用とは何が違うのか? センチュリーの走りを実現するために大幅改良が施されたシャシーを深掘り

セダンと併売するカタチで導入されたSUVスタイルの新型センチュリー。従来までのセダンとは見た目や居住性、利便性もさることながら、走りにかかわる機能の面でも大きく異なる。今回はクルマの基礎となる車台やシャシーについて深掘りする。

エンジン横置き前輪駆動用がベース

新型センチュリーのプラットフォームはセダン・モデルの先代レクサスLS由来のエンジン縦置き後輪駆動(FR)用ではなく、エンジン横置き前輪駆動(FF)用がベース。具体的にはトヨタの大型FF車用プラットフォーム、TNGAのGA-K型がベースとなっている。



拡張性を活かし、多くの車種に用いられる

もっとも、このGA-Kプラットフォームは拡張性が広く、カムリやクラウン・クロスオーバーのようなセダン系からアルファード&ヴェルファイアなどの大型ミニバン、レクサスが北米向けに新設定した大型SUVのTXまで対応する。センチュリーに採用するにあたり、車格に相応しい走りや快適性を実現するべく設計が最適化されている。

特徴的なのは後席の背後に備わるラゲッジルーム・セパレーター骨格の採用だ。左右の端にはリア・サスサスペンション・タワーとDピラーを連続的に結合させ、さらにリアフロア・クロスメンバーとブレースでつなぐなどにより、ボディのねじり剛性を大幅に高めている。また、ボディ骨格には2種類の構造用接着剤を適所に塗布し、ボディの変形を効率よく抑制。操縦安定性の改善と不快なシート振動の低減を図った。



後輪操舵で利便性と乗り心地を向上

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式で、コイルスプリングにアダプティブ・ダンパーを組み合わせ、旋回時のロールや不整路面でのショックを低減する。後輪操舵を装備することで、全長5205mm、全幅1990mm、ホイールベース2950mmというボディ・サイズながら最小回転半径は5.5mに収まる。タイヤ・サイズは255/55R20が標準で、255/45R22がオプションで用意される。

走行モード・セレクターで後席の快適性を最優先する「リアコンフォート」モードを選択すると、後輪操舵は同位相制御量を増し、車線変更時などに車両挙動の急変を抑制。さらにブレーキ操作をサポートして、停止時の揺れ戻しも低減する。

空力面ではエンジン・アンダーカバーやフロア・アンダーカバーを装着することで床下のエア・フローを整えている。さらにボディの帯電を減らすことでも気流の乱れを防いでいる。



文=関 耕一郎 写真=宮門秀行、トヨタ自動車

(ENGINE WEBオリジナル)

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