2023.11.01

CARS

「都会の足にふさわしい!」 後輪駆動になったピュアEV、ボルボXC40リチャージに試乗 これが本来のEVの使い方!!

ボルボXC40リチャージ

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ラインナップのBEV化や販売方法のネット化などを進めるボルボ。新たに自社開発したモーターをリアに搭載した後輪駆動のXC40リチャージに乗った。エンジン編集部の荒井がリポートする。

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ゆくゆくはディーラーを介さないネット方式に


ボルボのピュアEV、XC40リチャージの2024年モデルが発表され、東京・青山の「ボルボ・スタジオ・トーキョー」を基地に試乗会が開催された。

インテリアは物理的スイッチの少ないシンプルなデザインとなっている。


「ボルボ・スタジオ・トーキョー」はボルボのEVだけが展示される特別なスペースで、ここでクルマの販売や契約は行われない。ここではボルボのEVを見ながらスタッフの説明を受け、平日で空きがあれば30分程度の試乗ができるだけだ。こういう発信基地を作ったのには理由がある。ボルボはクルマの販売をディーラーを介さないネット方式にしたいと考えているからだ。「ボルボ・スタジオ・トーキョー」のようなところで説明を受け、注文はネットを通じて行う。ディーラーでの値引き交渉が成立しない、テスラのような販売スタイルにしたいと考えているのだ。



こうした企業の戦略はラインナップのBEV化に裏打ちされている。ボルボは2025年までに新車販売におけるBEVの割合を50%にし、2030年までにはBEV専業メーカーになるというゴールに向けてまっしぐらなのだ。

そんなわけでXC40リチャージもテコ入れされた。バッテリーが大きくなり、一充電走行距離が590km(WLTCモード)となったほか、新たに自社開発のリア・モーターを採用し、前輪駆動から後輪駆動へと変貌を遂げたのである。

交通量の多い青山通りへ出る。加速は滑らかで右足の踏み込みに対するレスポンスも速い。前輪駆動モデルに比べて出力は3%、トルクは27%アップしたという。インテリアのデザインはとてもシンプルだ。内装のほとんどは合成素材とリサイクル材が用いられているという。動物愛護の観点からか、レザーは一切使われていない。

試乗車はXC40リチャージ・アルティメットで719万円。


飾らない良さみたいなものは走りにも表れている。走る、曲がる、止まるという操作に対し、クルマの動きがとても滑らかで、カドが立った感じがまったくしない。乗り心地もひたすらしなやかである。

自分を主張しない黒子のようなクルマというのは、毎日ちょこちょこ乗るにはもってこいかもしれない。それは、マイカーのちょっと古いジャガーよりも、現在本誌で長期リポートをしているボルボV60PHEVで出かけることの方が多い自分が身をもって知っている。BEVは確かに遠出が難しいと思う。とはいえ、うちの奥さんは名古屋や京都へクルマで出かけていく私をバカ(笑)だと思っている。クルマで出かける距離の限界はそもそも人が決めているのかもしれない。いまやハイオク・ガソリンはリッター200円。コンパクトで扱いやすいXC40リチャージは都会の足にふさわしいものかもしれない。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦

(ENGINE2023年11月号)

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