2024.01.26

CARS

チェロキーは、どんなジープだったのか? 卓越した経験の為せるワザ! 雪の白馬でアルファ・ベースのシープの底力を思い知った!【『エンジン』蔵出しシリーズ・ジープ篇】

アルファ・ジュリエッタがベースの新世代ジープ、チェロキー!

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雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回は真冬ということもあって、2015年4月号に掲載した白銀の白馬で開催されたFCAブランドの合同試乗会の時期を取り上げる。雪といえばジープ、ジープといえば今の旬はやはり新型チェロキー。ということで、4WDのリミテッドを借り出して雪の上でその走りを堪能した。


アルファ・ベースとは思えない

グランド・チェロキーをはじめ、ラングラー・アンリミテッドやコンパスといったジープ・ブランドのフル・ラインナップに乗り、ジープの悪路での高い走破性を再確認したのは昨年の冬のこと。あれから1年。FCAジャパンが取り扱う5つのブランドをすべてそろえた合同試乗会が開催され、再び、同じ白馬でジープの真価を試す機会が与えられた。

2.4リッター直4を搭載するFFモデルのロンジチュードにも乗った。こちらもスタッドレスを履いていれば雪道で不安を感じるような挙動は見せない。鼻が軽いこともあってリミテッドよりも走りは軽快。


ジープ・ブランドにおける今回の目玉はチェロキーだ。アルファ・ロメオ・ジュリエッタと同じ横置きFFプラットフォームをベースに本格派のSUVに仕立てた新世代のジープである。昨年は発表前のため、試乗会場の片隅に展示されていただけで試乗することはかなわなかった。しかし今年は違う。新型チェロキーで昨年よりもちょっと雪が少ない白銀の白馬を駆け回ることができるのだ。

まずはリミテッドに乗った。3.2リッターV6を積んだ4WDの豪華仕様である。搭載される4WDシステムはアクティブドライブII。多くのFFベースの4WDと同じ油圧多板クラッチ式のオンデマンド・タイプだが、2段式副変速機と前後ドライブ・シャフトのロック機構を加えることで悪路走破性をアップさせたもの。さらに“オート”“スノー”“スポーツ”“サンド/マッド”の4つの走行モード切り換えができるセレクトテレイン・システムにより、多板クラッチや変速、トラクション・コントロールなど12種類の機構の制御を最適化することで、さらなる走破性の向上をサポートしている。

夏に行われた最初の試乗会でも思ったが、悪路を軽々と走破する新型チェロキーに乗用車プラットフォームの面影はない。新雪や傾斜のキツイ登坂路でも怯むことなく突き進める。公道を走っている限り、副変速機や前後輪の直結化といった特殊な装備の助けを必要とすることはない。

4つの走行モードのうち、ドリフトに最適だったのは“サンド/マッド”。前後輪が直結状態になることもあってか後輪にもしっかりと駆動力が伝わり、ドリフト状態に持ち込みやすかった。サメを彷彿させる特徴的なフロント・マスクに目が行きがちだが、リアまわりのデザインも先進的でなかなかスタイリッシュだ。


ならばと、撮影を兼ねて新雪の積もった広場でいろいろと試してみた。雪煙が上がるようなドリフトをと走行モードを切り替えてみると、これが面白いようにクルマの動きが変わったのだ。しかも、どのモードもその名前に相応しい的確な挙動を見せたのである。

走行モードを切り替えて走りが明確に変わり、しかもそのどれもが秀逸ということは、クルマを制御しているソフト・ウェアが優秀ということだ。そしてソフトを構築するために重要なのは実験や積み重ねてきたノウハウ、つまりは経験である。

新型チェロキーは4WDシステムをはじめSUVに仕立てるために付加された機構もある。しかし本を正せばどちらも乗用車から派生したクルマだ。それにもかかわらず、クルマの性能としては乗用車ではなく、むしろ本格的なSUVに近く、本格的なSUVに勝るとも劣らぬ悪路走破性を持つ。それは機構もさることながら、ジープが70年以上にわたって培ってきた経験によって作り上げられたソフト・ウェアによるところが大きいだろう。優れた機構も必要だが、活きた経験もまたクルマを優れたものに仕上げるのに重要な要件なのだ。新型チェロキーに乗ってそれを強く感じた。

文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=柳田由人

(ENGINE2015年4月号)

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