2023.11.01

CARS

アバルト500がEVに進化 エグゾースト・ノートを聞かせる新機構でエンジン車の刺激を再現

フィアット・ベースのスポーツ・モデルを輩出しているイタリアの自動車ブランド、「アバルト」はブランド初の電気自動車=バッテリーEV(BEV)となる「アバルト500e」を日本市場に導入する。

ハッチバックとカブリオレの2タイプ

すでに日本市場への導入が開始されている「フィアット500e」のアバルト・バージョン。フィアット500eと同様、ボディ・タイプはハッチバックと、大開口の開閉式キャンバス・トップを備えるカブリオレの2タイプを用意する。グレードは「ツーリズモ」の1タイプのみとなる。



アバルトらしさをしっかりと演出

エクステリアは従来までのガソリン・モデルと同じく、専用の前後バンパーやホワイトのリップ・スポイラー、サイドスカート、18インチホイールなどを装着することでスポーティなデザインへとドレスアップ。フロントにはアバルトのレタリング、リアフェンダーには電気のモチーフを採り入れたBEV専用となるサソリのエンブレムを設置する。

インテリアは黒基調で、ステアリング・リムのトップマークやシートのフォールディング操作ストラップはブルーで、各所に入れられるステッチはブルーとイエローとなる。ダッシュボードやシート、ステアリング・ホイールなど随所にアルカンターラを採用。スポーツシートの一体型ヘッドレストには500e専用ロゴが入る。



出力アップで走りに磨きを掛ける

フロントに搭載されるモーターはフィアット500eに対して37ps/15Nmアップとなる155ps/235Nmを発生。7秒ジャストの0-100km/h加速は、これまでの1.4リッター・ターボを積むアバルト695とほぼ同等で、20-40km/hと40-60km/hの中間加速は約1秒早い。バッテリーの容量は42kWhで、航続距離はハッチバックが303km、カブリオレが294kmとなっている。

興味深いのは新しいデバイスとして採用されたサウンドジェネレーター。アバルトを代表するモデル、「レコードモンツァ」のエグゾースト・ノートを再現した音をスピーカーから室内に流すことで、まるでエンジン車に乗っているかのように演出する機能だ。音は室内に半無響室での音響試験など、のべ6000時間をかけて再現。音は速度やアクセレレーターの開度によって変化するので、臨場感もしっかりと出されている。

前後重量配分は57:43で、従来のガソリン車よりもバランスが向上。トレッドやホイールベースを拡大するなどにより、クイックなハンドリングと安定性を両立したという。



記念限定車も同時にデビュー

また、通常モデルのほかに世界限定1949台の発売記念モデルである「スコーピオニッシマ」も200台導入。専用のサイド・デカールやウェアラブルキーなどの特別装備を備えるとともに、通常色でイメージカラーのアッシドグリーのほかにポイズンブルーと呼ばれる水色の専用色を設定している。販売台数の内訳はハッチバックが150台で、カブリオレが50台だ。

販売開始は10月28日で、価格は通常モデルのハッチバックが615万円、カブリオレが645万円、スコーピオニッシマのハッチバックが630万円、カブリオレが660万円となっている。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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