2023.11.23

CARS

「精密に組まれた機械が9000rpmまで回る! 吸い込まれそうで恐くなる」 ポルシェ911GT3の4リッター・フラット6は、未来に残したい世界遺産だ! 

4リッター自然吸気フラット6を搭載するポルシェ911GT3。

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911の歴史的な宿命とは?

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大谷 私は、911の歴史的な宿命をすごく感じますね。

上田 というと?

大谷 いまのGT3って9000rpmも回って最高出力が510psも出て、現代のスーパーカーとしてジャストミートのパフォーマンスじゃないですか。過剰でもないし、足りないとも思わない。でも、それを、この内燃エンジンが終わろうとしている時代に送り出しているってことが、本当にすごい。フェリー・ポルシェたちがオリジナルの911を作ったとき、そこまで見越していたとは思えませんが、まるでここまでの道筋がすべてわかっていたんじゃないかと思うくらい、完璧なストーリー展開です。その意味で911には歴史的な宿命を感じるし、まさにいまのGT3はその最高到達点に立っていると思います。

試乗車のフルバケット・シートとサテンブラックのGT3ホイールはオプション。


村山 その最高到達点に、23歳の僕がいきなり乗っちゃったわけですが、エンジンをかけた瞬間は少し重そうにドロドロドロと回っていたものが、回転の高まりにあわせてどんどん鋭くなって、研ぎ澄まされていく。その豹変振りが、本当にすごいなあと思いました。今日、このクルマに乗れて、本当に幸せでした。

村上 よし、やっぱりこれはエンジン世界遺産に認定!

一同 結論が唐突!(爆笑)

村上 これを認定しなくて、なにを認定するんですか! なにしろ最高到達点なんだから。僕はかつて996のGT3が頂点だと思っていたけれど、モデルチェンジするたびに、その頂点を上回ってくる。992のマイナーチェンジ版が間もなく登場するようだけど、ここでも新たな到達点に達することを祈念して、911GT3のフラット6をエンジン世界遺産に認定したいと思います。

◆次は、OHVのV8エンジンを搭載するシボレー・コルベット3LTを取り上げる。続きは「エンジン世界遺産その2」で!

語る人=大谷達也(まとめも)+村上 政+荒井寿彦+上田純一郎+村山雄哉(村上以下はENGINE編集部) 写真=茂呂幸正



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■ポルシェ911GT3

駆動方式 リア縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4573×1900×1279mm
ホイールベース 2457mm
車両重量 1450kg
エンジン 直噴水平対向6気筒DOHC
排気量 3996cc
最高出力 510ps/8400rpm
最大トルク 470Nm/6100rpm
変速機 7段デュアルクラッチ式自動MT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション 後 マルチリンク/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 255/35ZR20 315/30ZR21
車両本体価格 2628万円

(ENGINE2023年12月号)

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