2023.10.14

CARS

ポルシェ911GT3のレース専用車をベースにした77台のみの限定車、「911GT3Rレンシュポルト」登場

ポルシェが米国カリフォルニアで開催された「レンシュポルト・リユニオン7」で、「911GT3Rレンシュポルト」を発表した。

GT3レーサーの911GT3Rがベース

GT3カテゴリーのレーシング・カーの「911GT3R」をベースにした77台のみの限定モデルで、ベース・モデル同様に公道では走らせることができないクローズド専用車となる。



エクステリアはほぼ専用デザイン

エクステリアでGT3Rと共有するのはフロント・フードとルーフのみ。空力を最適化するべく、フロントはエア・インテークとダクトを見直し。サイドのフィンやカナードも新設計として衝突時などの保護性能も与えられた。

前輪のホイールアーチ前後の通気パネルも専用形状。ドア・ミラーは設置せず、ボディに埋め込まれたカメラで後方を確認する。



935/77がモチーフの巨大ウイング

リア・エンドには巨大なウイングを装着するが、その形状は1978年のデイトナ24時間を制した「935/77」をモチーフにしたもの。きわめて高い荷重がかかるため、縦方向のサポートが追加されている。テールライトはサイドにまで回り込むバー状で、中央に配されたポルシェ・ロゴも発光する。

インテリアはルームミラー代わりの後方確認用のモニターが左右両端に設置される。このモデルはサーキット専用車ではあるが一般ユーザーが購入できる車両ということでアンビエント・ライトは色調整可能なヘッドライトと同色に発光する。シングル・シーターで、ロールケージは助手席の乗車を考慮していない形状となる。



ベース車を上回る619psを発生

レーシング・カーではないのでレースのレギュレーションとは無縁なため、4.2リッター水平対向6気筒の最高出力は出力調整がかかるGT3Rの565psを上回る619psを発生。最高回転数は9400rpmに到達する。バイオエタノールと合成燃料の混成であるE25燃料の使用を前提にした設計で、その低ノッキング性を活かして圧縮比をアップしているが、一般的な燃料で走ることも可能だという。エグゾーストは直管仕様と触媒付きマフラー2種類とを用意。音量規制のあるサーキットでの走行にも対応する。

パドル式6段シーケンシャルMTは4〜6段をデイトナ向けの仕様とし、6段、9000rpmでの最高速度はレースのレギュレーションに則ったFIA規定準拠仕様より19km/hアップしているという。車両重量は1240kgだ。



レーシング・カーのシャシーを踏襲

シャシーは基本的にGT3Rを踏襲し、サスペンションは前がダブルウィッシュボーン式、後ろがマルチリンク式だが、セッティングはレンシュポルト専用となる。シムによるさらに細かい調整も可能だ。ダンパーはKW製で、5ウェイ調整とブローオフ機能を備える。ホイールはBBS製18インチで、タイヤは専用設計のミシュラン製。ブレーキはAP製のモノブロック・キャリパーで、チタンのバッキングプレートを使用する。

価格は、104.6万ドル(約1億5585万円)となっている。



文=関 耕一郎

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(ENGINE WEBオリジナル)

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