2023.11.08

CARS

今度の世界にたった1台のカスタマイズ・フェラーリはV8ミドシップのF8をベースにしたロードスター

フェラーリがまた新たに製作された世界に1台だけのカスタマイズ・モデル「SP-8」を公開した。「F8スパイダー」がベースのロードスターだ。

V8エンジンにリスペクト

車名は搭載する3.9リッターV8ツインターボ・エンジンにリスペクトして名付けられた。また、オーナーが台湾出身であることから、中華圏で縁起のいい「8」という数字を車名に入れることは大きな意味を持つ。



開閉式のハードトップを取り払う

エクステリアはベース・モデルには備わる開閉式のハードトップを取り外し、ロードスターとして再設計。シミュレーションをはじめ、風洞実験、実走行テストによりベース・モデルと同等の音響快適性を有し、同じように風を楽しむことができるという。

ボディは、フロント・セクションからサイド、キャビン後方、リア・エンドまで続く濃色部にはブルー・サンドストーンと呼ばれる玉虫色を持つ繊維がそのままむき出しのカーボンで、ドアからリア・セクションをマットシルバーのアルジェント・ミカリッザートで仕上げた2トーンとなる。この2色とそれをつなぐように配されたブルー・スクーロ・ステッラートは、SP-8のために開発された。



3Ðプリントによる金型成型

全幅一杯に広がるアルミ鋳造製のフロント・グリルは3Dプリントされた金型から製作。かつてのフェラーリでは横方向に使われたストレーキをモチーフにしたフィン形状を縦方向に用いている。フィンは両サイドへ向かって間隔が広がり、左右のラジエーターへ気流をスムーズに導くよう入念に角度が検討されている。ヘッドライトは専用のマスクとレンズを変更した専用品だ。

ドアの後方にはエンジン用とインタークーラー用に独立したダクトを設置。そこに連続し、キャビンの背後へ回り込むエンジンルームからの排熱口にはフロント・グリルと共通するストレーキのモチーフが用いられる。

リアまわりでは、「フェラーリ・ローマ」用をベースに特殊なレンズを組み合わせたテールライトや、296GTBと同じ処理のテールパイプを装備。ダックテール・スタイルのテールエンドは大きく突き出した形状で、ボディ・パネルとディフューザー部の境界にはフロント・グリルと同じく縦方向のフィンが並んでいる。さらにF40用を現代解釈したホイールは、デザインもグリジオNARTのマット塗装色もSP-8専用だ。



F1ギアボックス・コマンドを装着

インテリアではセンターコンソールをモディファイし、SF90ストラダーレで導入されたF1ギアボックス・コマンドを装着。シートはレーザーエッチングを施したネイビーブルーのアルカンターラとグラデーション効果のあるクロスのコンビネーション。カーペットは玉虫色に見える特殊なツイル織りだ。

このSP-8は、フェラーリ・フィナーリ・モンディアーリ開催期間中はムジェロ・サーキット、11月16日から2024年3月まではマラネッロのフェラーリ・ミュージアムに展示される予定だ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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