2023.11.24

CARS

ランボルギーニのV10には「ある種の凶暴さが秘められている!」 最後のウラカン、テクニカが搭載する5.2リッター自然吸気V10は、未来に残したい世界遺産だ!!

これが最終モデル、最後のV10を搭載するウラカン・テクニカ

全ての画像を見る
鍵はアウディの存在か

advertisement


荒井 その裏には、親会社であるアウディの存在も大きいと思う。アウディのスローガンである「技術による前進」って、ドイツ語でなんていうんだっけ?

大谷 フォルシュプラング・ドゥルヒ・テヒニクですね。

荒井 ほら、そこにドイツ語のテヒニク、つまりイタリア語のテクニカが入っている!

村上 それは鋭い指摘だなあ。ところで、ウラカンにアウディの技術的な影が見え隠れしているのは事実だけれど、逆にランボルギーニがアウディに与えたものも、すごく大きかった気がする。だって、アウディR8って、ランボルギーニの力がなかったらできなかったでしょ?

 コクピットは未来的でありながらスパルタンな印象を与える。

大谷 実は、ランボルギーニを買収するにあたってアウディが社内を調査したところ、その技術の高さにアウディ側が驚いたという話を聞いたことがあります。

荒井 たしかにウラカンはすごくよくできたクルマで、安心して乗っていられるのも事実なんだけれど、僕はやっぱり、乗っていてものすごくヒリヒリした感じがする。そのヒリヒリ感をうまく残しているから、スーパーカーに乗っている実感が得られる。そこがポイントだと思う。

大谷 ウラカンはその安心感と刺激感のバランスが絶妙ですよね。

荒井 本当に絶妙な味付けです。



村上 そして、なんといっても高回転型V10自然吸気エンジンの魅力。実に8500rpmまで回るからね。

大谷 その回り方が、なんとも軽くてスムーズなんですよね。ランボルギーニのエンジンって、回り方にある種の凶暴さみたいなものが秘められていて、初期型ウラカンにはそれが感じられたのに、テクニカでは天まで突き抜けるような伸びやかさ、そして回転の上昇に軽やかさを手に入れました。5.2リッターのV10エンジンといえば、回転系の慣性力だってかなりあるはずなのに、そういうものを一切感じさせない軽々とした吹け上がり方は、ちょっとフェラーリにも通じるものです。

上田 たしかに5000rpm以上は刺激的ですが、4000rpm以下のクルージングはつらいですよ。

大谷 それを含めて考えても、ウラカン・テクニカは歴史的な名作だと思います。エンジンの感触だけでなく、基本レイアウトのバランスのよさを含めて、おそらく20年後、30年後にも語り継がれる存在になるでしょうね。

村上 もしも内燃機関の時代が今後も続いて、ウラカンが次世代モデルへと進化していけば、911と似た存在になったとしても不思議ではない。もう、これにハンコを押さずして、なにに押すのかという話です。ウラカンのV10も文句なしに、エンジン世界遺産に認定!

◆そして話題はV型12気筒エンジンへ! この続きは「ロールス・ロイス篇」で!!

語る人=大谷達也(まとめも)+村上 政+荒井寿彦+上田純一郎+村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正


■ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ
駆動方式 ミドシップ縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4567×1933×1165mm
ホイールベース 2620mm
車両重量 1590kg(車検証)
エンジン V型10気筒DOHC
排気量 5204cc
最高出力 640ps/8000rpm
最大トルク 565Nm/6500rpm
変速機 7段デュアルクラッチ式自動MT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション 後 ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 245/30ZR20 305/30ZR20
車両本体価格 2999万2917円

(ENGINE2023年12月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement