2024.01.28

LIFESTYLE

この家の外壁はいったいどうなっているのか? 柔らかな光と風が気持ちいい 巨大な鎧戸が日差しと視線を遮る、建築家の息子が両親のために設計した超個性的な家

木製の鎧戸には、軽さと強度を考慮し屋久島地杉が使われている。

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雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、建築家の息子が両親のために建てた東京都杉並区の家。世界的アーティストである母親のアトリエも兼ねたこの住まいは、一度見たら忘れられない個性的な外観を持っていた。ご存知、デザインプロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。


建物前面の上部三分の二が……。


美しく区画整備された、杉並区の閑静な住宅街。最近の東京では珍しい、低い生け垣に囲われた敷地に、建築家の麻殖生龍哉さん(まいおりゅうや・48歳)が設計した、70代の両親のための家は建っている。なんといっても特徴的なのは、建物前面の上部三分の二を覆う、角材を使った鎧戸。ここはかつて、麻殖生さんが子供の頃から暮らしていた家が40年近く建っていた場所。この両親の家には、単なる実家の建て替えとは違ういくつもの物語があった。

鎧戸は可動式で、開けて庇のように使うこともできる。


麻殖生さんの父親である健二さんは、エンジニアとして大きな会社に勤務。定年まで勤めあげた後は、大学で教えるなどの第二のキャリアを経て、現在は山登りを楽しむ悠々自適の生活を送っている。一方、母親の素子さんは屏風作家。アメリカのメトロポリタン美術館に作品が収蔵されるなど、国際的に評価が高いアーティストだ。今も現役の作家として活動している。

1階よりも90cm前にせり出した2階部分が庇となっている。



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