2023.12.24

CARS

軽い気持ちで飛びついてはいけない! 新型Cクラスの最速最強モデル、C63にモータージャーナリストの高平高輝が試乗 やる時は徹底的に情け容赦なく、がメルセデスの流儀

メルセデスAMG C63S Eパフォーマンスの尋常ではない性能とは?

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これまでの多気筒大排気量エンジンから、2.0リッター直4ターボPHEVへとパワートレインの大幅刷新を図った新型メルセデスAMG C63。F1の英知を集めた新しい強心臓はC63にどんな息吹をもたらしたか? モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

尋常ではない理由

縦バーの「パナメリカーナ・グリル」はもうお馴染みかもしれないが、AMGが手掛けるメルセデスCクラスの最強力版「C63S・Eパフォーマンス」はそれだけが理由ではない凄味が感じられると思ったら、やはりフロント・フェンダーが標準のCクラスより80mmも幅広いという。尖ったノーズのためか全長も同じく80mm伸びているらしい。



迫力満点のC63Sはプラグイン・ハイブリッドのフラッグシップ・モデルである。「63」でもエンジンは2.0リッター4気筒ターボとはいえ、もちろん尋常のものではない。昨年ひと足先にSL43に積まれて登場したM139型2.0リッター4気筒ターボと同じく、コンプレッサーとタービンの間にモーターを組み込んだ電動ターボチャージャーを備えているのが特徴で、エンジン単体のスペックは476ps/6750rpm、545Nm/5250~5500rpmと、SL43やC43・4マチックのものよりもずっと強力だが、その上さらに204ps(10秒間/定格出力は109ps)と320Nmを生み出すモーターが追加されている。システム・トータルの最高出力は680ps、同じくシステム最大トルクは1020Nmというもの凄さである。



これだけのパワーとなれば当然トルク配分可変型「4マチック+」による4WDであり、0-100km/h加速は3.4秒とされている。同じく2.0リッター直4ターボを積むマイルド・ハイブリッドのC43より300kgも重い2160kgの車重にもかかわらず、である。さらに本体価格も1660万円と飛び抜けており、SL43と同等だ。

現行W206型Cクラスは全車BSG(ベルト駆動スターター・ジェネレーター)あるいはISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を装備する電動化モデルだが、このC63Sはそれらとは異なる「P3ハイブリッド」と呼ばれるシステムを搭載している(正確にはBSGも備わる)。モーターは2段変速機や電子制御式LSDとともにEDU(エレクトリック・ドライブ・ユニット)としてリア・アクスルに配置されており、AMG自社開発の高性能バッテリー(容量は6.1kWh)はその上方に搭載されているという。高出力を頻繁に出し入れできるというこのバッテリーも電動ターボと同様にF1の技術を基に開発されたらしい。



外部充電可能(普通充電のみ3.7kWまで対応)なプラグイン・ハイブリッドではあるが、約15kmという電動走行距離から分かるように、明らかに燃費を稼ぐ(二酸化炭素排出量削減の)ためのプラグイン・ハイブリッドではなく、ガチガチのパフォーマンス志向である。やる時は徹底的に情け容赦なく、がメルセデスの流儀である。

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