2023.12.26

CARS

打倒、N-BOXなるか? 3代目に生まれ変わった新型スズキ・スペーシアに試乗! 競争力はかなり高い!!

単なる偶然か、それともあえて狙ったのか。クラス王者のホンダN-BOXと同じタイミングでの登場となった新型スペーシア。パレットから数えて3世代目となるスズキのスーパーハイト・ワゴンだ。エンジン編集部の新井がリポートする。

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注目は後席!

「先代を意識したわけではない」とデザイナーは言うものの、スズキが選んだ外観は先代のイメージを色濃く残す。一方、内装は空調スイッチを手の届く手前の位置に移動させたり、助手席前にトレイを新設するなど、先代よりも機能性を重視したデザインへと改められた。



高機能化した運転支援装置やスズキ初の電動パーキング・ブレーキの採用など、新型は多くの部分で進化しているが、その中でも注目なのが後席。座面の前部分がフラップのように可動し、オットマンや荷物落下防止用のストッパーになる新機能が盛り込まれた。これがなかなかのアイデアもので、追随するクルマが出てくるはずだ。

新開発のCVTを除き、パワートレインやプラットフォームなど走りに関わる部分は基本的に先代から流用。ただし、クラストップの燃費を実現するなど6年ぶりの進化に見合った改良が施されている。



走らせてみてまず感心したのがフラットな乗り味だ。細かい振動はけっこう伝わってくるものの、クルマの動きに安定感がある。ロールを適度に許すなど脚をしっかりと動かしている感じだ。もちろん、車両の挙動は十分にコントロールされていて不安感はない。タイヤ以外の脚の設定は自然吸気(NA)とターボで違いはないが、NAの方が軽やかで、ターボの方が落ち着いた印象だった。エンジンは先代同様、NAとターボともにマイルド・ハイブリッド機能を備える。もちろん出力で勝るターボは魅力的だが、好印象だったのはNA。カタログの数値は先代よりも低くなっているものの、低回転域からトルクがあり、レスポンスもいい。高速移動がないならこれで文句ナシ。

新型N-BOXに試乗していないので比較はできないものの、新型スペーシアの戦闘力もかなり高いことは間違いない。

文=新井 一樹(ENGINE編集部)



(ENGINE2024年2・3月号)

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