2024.01.07

CARS

アウトドア・テイストで会場を埋め尽くす 【ジャパン・モビリティショー回顧録:三菱篇】

2023年の自動車ニュースで大きな注目を集めたジャパン・モビリティショー(JMS)2023。名称とコンセプトを刷新し、前回の東京モーターショーから4年ぶりの開催となったが、多くの観客を集め、盛況のまま無事に幕を降ろした。ここではあの興奮をメーカー別に振り返ってみたいと思う。第7弾は三菱をお届けする。

トピックは3つ

ジャパン・モビリティショー2023の三菱は冒険心をくすぐるアウトドア・テイストのクルマで埋め尽くされたブースだった。トピックは3つ。



デリカD:5の未来像

まずは電動クロスオーバーMPVの「D:Xコンセプト」。2007年発売のロングセラー、「デリカD:5」の後継機種を示唆すると目され、ミニバンでありながらSUVスタイルを強調したコンセプト・モデルだ。

フロントまわりは、三菱のデザイン・コンセプトであるダイナミックシールドを発展させたもので、フロント・ウインドウはボディ・サイドまで回り込んだデザインとなっている。車体にはデリカD:5に用いられる環状骨格構造の強化版を採用し、高い安全性と広い室内を両立している。



現実味のある技術を採用

ボディ・サイドもデリカらしい。キャビン前方から太いDピラーまでサイド・ウインドウが続くボクシーな上屋と、前後スキッドプレートやサイドステップ・プロテクターにクラッディングを備えたオフローダーのような下回りを組み合わせている。足下には走破性を高める大径タイヤを履かせている。

パワートレインはプラグイン・ハイブリッドで、駆動系は走る、曲がる、止まるを統合制御するS-AWCを採用した電動4WDといったようにメカニズムは手堅くまとめている。スタイリングはかなり前衛的だが、次期デリカの登場は意外と遠くないのかもしれない。



トライトン復活

もうひとつが、約12年ぶりに日本へ導入する、1tピックアップ・トラックの新型「トライトン」。約9年ぶりに刷新された6代目で、「パワーforアドベンチャー」をコンセプトに、内外装だけでなくシャシーとフレーム、エンジンまで全面的に見直した。日本仕様は2列シートのダブルキャブで、駆動方式は4WDが導入される。

この市販前提のプロトタイプに加え、展示されたラリーカーがなかなかの迫力だった。アジア・クロスカントリー・ラリー2023参戦車両のレプリカで、補強やチューニングもさることながら、ラリーアートのロゴが踊る赤と黒のカラーリングは往年の三菱ファン胸熱仕様だ。同色のデリカD:5サポートカーともども、再現した仕様を求めるユーザーは少なくないだろう。



スタートアップ企業と共同開発

さらにもう1台、存在感を放っていたのがラスト1マイル・モビリティだ。スタートアップ企業のライフハブと共同開発した木馬のような電動バギーで、電動車の使用済み品を用いた脱着式バッテリーで駆動する。折りたたんで車載することも可能で、アウトドアでのラスト1マイル移動という提案だ。

三菱といえば、フルラインターボやフルライン4WDなど、商品の方向性を集中させる傾向を見せてきた過去がある。今回の展示は言うなればフルライン・アウトドアといった印象だった。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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