2024.01.04

CARS

あの興奮をもう一度、【ジャパン・モビリティショー回顧録:トヨタ前篇】 未来のランクルから次世代世界戦略車まで

2023年の自動車ニュースで最も大きな注目を集めたのは、名称とコンセプトを刷新し、前回の東京モーターショーから4年ぶりに開催されたジャパン・モビリティショー(JMS)2023だ。

4年前とは大違い

今回はあの興奮をメーカー別に振り返ってみたいと思う。トップバッターは4年前とは異なり現実味のある多くの車両をひな壇に並べたトヨタ。電気自動車=バッテリーEV(BEV)を中心に多数のモビリティを並べた王者の出展内容を2回に分けて紹介する。



EVを中心としたマルチパスウェイ戦略

ジャパン・モビリティショー2023のトヨタ・ブースはBEVのコンセプト・カーがステージを席巻した。しかしBEV以外にも、カーボンオフセットに向けてさまざまな選択肢を用意するマルチパスウェイ戦略も見て取れた理想と現実のバランスに優れた展示だった。

ステージのセンターを飾ったのはスポーツタイプの「FT-S」eとクロスオーバーSUVの「FT-3e」、2台のBEVだ。FT-Seは実車による走行映像も公開されたが、量産化に直結するかは今のところ不透明。しかしこの2台は、市販前提を明言するレクサスの「LF-ZC」と同じ要素技術を用いるという点がミソだ。



ランクルとピックアップのEVをお披露目

2台の根幹を成す技術が、素材と構造の見直しで大幅にダウンサイジングしたリチウムイオン電池と、前後各セクションの構造体をアルミ一体鋳造としたギガキャスト。前者はスペース面でも電力面でも効率を高め、後者は従来構造比2倍の剛性をもたらす。そしてなにより、それら基本要素の組み合わせることでスポーツカーやセダン、SUVまで対応できるというBEVらしい拡張性を示した。

そのほか壇上を飾ったのが、次世代中型ピックアップBEVの「EPU」(イーピーユー)と、クロスカントリー(クロカン)BEVの「ランドクルーザーSe」という、遠からぬリアリティを感じさせるコンセプト・カーだ。とりわけランクルSeは、「ランドクルーザー80」以降の理想値とされてきた2850mmのホイールベースを3050mmに伸ばし、しかもボディをモノコック化。「ランドクルーザー300」の後継ではなく、新たなバリエーションとしてランクルファミリーに加わるのかもしれない。



新興国向け次世代ピックアップも登場

BEVとともに壇上に並んでいたのがマルチパスウェイの重要なピースとなる「IMV0」だ。IMV(イノベイティブ・インターナショナル・マルチパーパス・ヴィークル)は新興国を見据えた世界戦略車で、IMV0はその次世代モデルだ。

展示車両はディーゼル車で、電動車では対応しづらい市場でのニーズに配慮した仕様となっている。部品の破損防止を重視したデザインやボルトとナットで架装が締結できる構造の採用なども、幅広い要望に応えるべく熟慮された結果だ。

なお、既存のIMVは3種のピックアップにSUVとミニバンを加えた5車種あり、その中には日本でも人気の現行「ハイラックス」が含まれる。IMV0は次期ハイラックスを占うという点でも注目のモデルだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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