2024.01.27

CARS

5ドアになったインプレッサWRX STIは、どんなスバルだったのか? 8000回転まで回る歴史に残る国産4気筒エンジン!【『エンジン』蔵出しシリーズ/スバル篇】

スバル・インプレッサWRX STI、2008年モデル。

全ての画像を見る
雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回は日本車のスバル。中古車市場では根強い人気を誇るインプレッサのWRX STIを取り上げる。2008年1月号に掲載されたのは、5ドアになった新型スバル・インプレッサに待望の「WRX STI」登場した記事だ。スタイルも走りも一新したそれに富士スピードウェイと一般道で試乗したリポートをお送りする。

advertisement



運転席からの眺めが違う

10月1日にデビューした三菱ランサー・エボリューションXに続き、今度は新型スバル・インプレッサWRX STIが、東京モーターショウのプレスデイ初日の10月24日にデビューした。4ドア・セダンから5ドア・ハッチバックへと大変身を遂げた新型STIだが、さっそく富士スピードウェイと一般公道で試乗してみると、ランエボ同様、こちらもスタイルのみならず、走りの面でも従来とはひと味違った方向をめざしていることを知り、大いに興味深かった。

インテリアのデザインもブラックとシルバーを基調とする落ち着いた雰囲気に一新された。車両本体価格=365.4万円


新たなコンセプトをひとことでいうなら、軸足を従来からのラリーを中心とするレース・フィールドに置きながらも、もう一方の足をより洗練されたプレミアム・スポーツの分野に伸ばしていこう、というものだ。とにかく、スタイルも走りも、洗練度の進化が凄い。外観上の変化はご覧の通りとして、たとえば、運転席からの眺めがまったく違う。旧型ではボンネットの中央にこれでもかとばかりに屹立していたパワー・バルジが、新型ではずっと大人しく、デザインもスタイリッシュなものになって、前方視界がパッと開けたし、リアのトランクリッドに生えた巨大な羽根に後方視界をさえぎられるなんてこともなくなった。あるいは内装に目をやっても、安手のプラスチックを多用することはもはやなし、ブラックとシルバーを基調とした大人っぽいシックなデザインに改められている。すなわち、子供のオモチャ的な走り屋御用達グルマから、レッキとした大人も楽しめるスポーティ・ハッチバックへと進化したのだ。

トランスミッションは6MTのみ。



重厚感を感じさせる味付け

その進化は、走りの面にもハッキリと表れている。動き出した瞬間から、これまでとは違う重厚感が支配しているのだ。これはサーキットでもそう感じたし、一般道でも同様だった。1480kgの車重は、旧型より10kgほど重いだけだというから、クルマの重さが問題なのではない。全体の乗り味が、より安定志向の、重厚感を感じさせる味付けになっているということだ。

その背景には、全長を縮める一方でホイールベースを伸ばし、トレッドを拡げて運動性能を向上させていることに加えて、これまでインプレッサの弱点とされてきたリア・サスペンションが、ストラットからダブルウィッシュボーンに改められたことがあるのだろう。これにより、リアのキャパシティが格段に上がったのは明らかで、サーキットを走っていても、よほどのことがない限り、お尻が唐突にブレークするようなことはなくなった。たとえリア・タイヤが横滑りを始めても、動き出しが穏やかだからコントロールしやすい。

シートは標準でもアルカンタラ&レザーのバケット。


一方、308馬力を発生するエンジンは、8000回転まで回る高回転型だが、その一方で、旧型ではかなり細めだった中低速トルクが増強されて、2400回転で最大トルクの90パーセントを発生するようになっている。だから、これまでより発進時のクラッチの繋ぎはずっと容易になったし、コーナーで回転数をやや落としすぎても、ターボ車特有のドッカン系ではなく、リニアな加速を感じながら立ち上がることができるのである。

とはいえ、新型STIが安定志向の鈍重なクルマになったわけでは、むろんない。これまで以上にムチャクチャ速いし、トルクステアだって相変わらず出る。そしてなによりも、ステアリングは超シャープな味付けで、切り出しの応答性が抜群にいい。迂闊に構えていると火傷しそうなくらいの切れ味がある。ひとたびワインディングを走り始めたら、重厚感が軽快感に変化し、アドレナリンがドバッと噴き出すような楽しさを持っていることはこれまでと変わらないのだ。

要は、そういう走りの楽しさを残しながら、BMWやアウディのような大人っぽい洗練された味付けを加えて行こうということだろう。ランエボがXを打ち出していたのも同じ方向だが、目下のところ、内外装の質感の高さでSTIが一歩勝っているように思えた。

文=村上 政(ENGINE編集部) 写真=佐藤正勝

ハッチバックのスタイリッシュなリア・ビュウ


(ENGINE2008年1月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement