2024.06.03

CARS

「最後のルノー・スポールだし、手元に1台置きたくなる」 モータージャーナリストの森口将之がルノー・メガーヌR.S.ウルティムほか5台の注目輸入車に試乗!

モータージャーナリストの森口将之さんが5台の注目輸入車に試乗

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モータージャーナリストの森口将之さんがエンジン大試乗会で試乗した5台のガイ車がこれ! アバルト500eツーリズモ・カブリオレ、アウディQ8スポーツバック 55eトロン、BMW XM、フィアット・ドブロ、ルノー・メガーヌR.S.ウルティムに乗った本音とは?


個性がはっきり分かる


2023年からの日本の自動車業界のニュースを受けての大試乗会。やっぱりガイシャはいいと思いました。今回乗ったのはすべて欧州車。スケジュールやコストも大事にしていると思うけれど、それを感じさせないぐらい、デザインやサウンドやハンドリングで楽しませようというアピールが刺さりました。電動化も仕方なく取り組んでいるのではなく、エンジンではできない魅力を提供しようという気持ちが伝わってきました。同乗したEPC会員のおふたりは、これまで未体験のジャンルだったらしいですが、個性がはっきり分かるという話をしていました。こちらから誘導したわけでもないのに、2人とも僕の愛車のトゥインゴの話を持ち出してきて、根はいっしょなんだと嬉しくもなりました。なのでこれからも変わる必要はないと思っています。クルマに乗りたい、走りたいという気持ちになれるのは、やっぱりガイシャだと感じました。




アバルト500eツーリズモ・カブリオレ「失ったものは少ない」

電気自動車なのにお尻から響いてくるデロデロサウンドが、オープンにしたことでどうなるか気になった。結果は上々。リアウインドウまで開け放つと、背後から届いてくる感じが、昔のリアエンジンのアバルトを思わせる。リアウインドウを立てると控えめになって、むしろ閉めたほうが堪能できるけれど。

駆動は前輪なのだが、ガソリン車のアバルトのようなフロントヘビーではなく、バッテリーのおかげで低重心にもなっているので、乗り心地はひょこひょこした揺れが抑えられて重厚になったし、ハンドリングもバランスがアップした。リアからはちゃんと音が聞こえてくる。電動化しても失うものは少なく、逆に得るものが多い。これまでアバルトが多用していた赤をあっさり捨て去り、ブルーとイエローをテーマカラーにしたことにも感心した。ボディはもちろん、インテリアはメーターやセンターパネル、シートのステッチを2色使いにしている。アバルトらしさとEVらしさを絶妙にミックスしたコーディネートで、この色だけで欲しくなる。




アウディQ8スポーツバック 55eトロン・クワトロSライン「前向きな思想にワクワク」

アウディはフロントにエンジンを縦置きし、クワトロシステムで4輪を駆動するというパワートレインをアイデンティティとしてきた。その威力はWRCなどで立証済みだけれど、高性能エンジンを積む車種ほどノーズが重くなり、乗り心地やハンドリングに影響が出るというジレンマも付きまとった。しかもカーボンニュートラルを目指すには、高性能は足枷だった。

そんな状況を思い浮かべながらこのクルマをドライブして、アウディと電気自動車はとても相性がいいと感じた。動力性能と環境性能を両立できるうえに、バッテリーを床下に置き前後のモーターで4輪を駆動するので、乗り心地やハンドリングを理想に近いレベルに持っていけているからだ。

電気自動車を敬遠する人が、日本には今も多いけれど、アウディは新しい技術に対して否定から入るのではなく、常にプラス思考で向き合い、取り入れている。その結果、このブランドが目指す理想に近づいているような気がする。なによりも前向きな思想が、僕たちをワクワクさせてくれる。

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