2024.05.27

CARS

「これはもう自動車の範疇を超えた、1つの空間芸術作品だ」 モータージャーナリストの金子浩久がロールス・ロイス・ゴーストほか5台の輸入車に試乗!

モータージャーナリストの金子浩久さんが5台の注目輸入車に試乗

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モータージャーナリストの金子浩久さんがエンジン大試乗会で試乗した5台のガイ車がこれ! アウディQ8スポーツバック 55eトロン、キャデラック・エスカレード、フィアット・ドブロ、メルセデスAMG S63 Eパフォーマンス、ロールス・ロイス・ゴーストに乗った本音とは?


価値や世界観を更新する


5台はどれも魅力的だったが、元気をたくさん授かったのはエスカレードだった。筆者は旧型に乗ったことがあり、同乗したKさんのアメリカ車体験は数十年前のシボレー・カマロ。乗る前はその大きさにおののくばかりだったが、乗り込んで一変し、走り出しては二変していった。車内は全面的に刷新され、モダン・アメリカン・ラグジュアリーを体現していた。ただ広いだけでなく、利便性や余裕も。走り出しては旧型や大昔のカマロを思い出させる大味なところが一切なくなり、運転操作に忠実に反応し、穏やかな挙動を示していた。「もっと小さなクルマに乗っているように感じます」というKさんの助手席からの感想に大いに同感。大きさが生み出す余裕や上質感などをキャデラックが追求し続け、みごと現代的に結実させた。自らの価値と世界観をアップデートし続けることの大切さをガイシャは教えてくれる。




アウディQ8スポーツバック 55eトロン・クワトロSライン「加速は強烈」

アウディの大型クーペスタイルBEV「e-tron」に各種のマイナーチェンジが施されて、「Q8 スポーツバック e-tron」となった。内外装の改編のほか、バッテリー容量が大型化された。この「55」では、114kWhと増えて、航続距離が78km伸びて501kmとなった。フロントに1モーター、リアに2モーターが組み込まれ、300kW(408ps)のシステム最高出力によって4輪を駆動する。もはや驚くことではないのかもしれないが、加速は強烈だ。コンフォートモードで走っても、その印象は変わらない。欲を言えば、コンフォートモードでは路面からの細かなショックを柔らかく包み込んでもらいたい。西湘バイパスの舗装のつなぎ目や細かな段差などからのコツコツといったショックとノイズを車内に明確に伝えてきてしまっていた。また、回生を強めた時の効き方がギクシャクしていた。滑らかに回生するといいのだが。操作系統のインターフェイスも以前からのままで、馴染みがあって使いやすいが新鮮味に欠けている。他社のBEVが日進月歩なので、Q8 e-tronの次の進化を期待している。




キャデラック・エスカレード「大きさを感じさせない」

昨年に続いて、ENGINE PREMIUM CLUBのメンバーとの同乗試乗の1台目はエスカレード。お一人目は、休日にはGRヤリスとポルシェ・718ケイマンなどでサーキット走行を楽しまれているKさん。ありがたいことに、Kさんは筆者の「10年10万kmストーリー」の長年の読者で単行本も全巻お持ちだとのこと。読者と出会えて試乗前から感謝感激。エスカレードは、まずその大きさに圧倒された。全長5400ミリ全幅2065ミリ。乗り込むと、別の驚きが待っていた。湾曲した大きなモニターとメーターパネルが大小ふたつ重なり合い、それぞれの周囲をレザーがトリミングするという凝りっぷり。センター・コンソールやステアリングホイールなどの操作各部分の造形も良く考えられ、使いやすく現代的な高級感も醸し出している。走り出すと、6.2リッターV8エンジンの生み出す大トルクの余裕と10段ATのスムーズな変速に驚かされた。箱根ターンパイクのコーナーでもキビキビ、そしてしっとりと曲がっていった。「ボディの大きさを感じませんね」とKさんも走りの質の高さに驚いていた。

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