2024.05.30

CARS

「腰があるのにしなやかに動く脚はお見事!」 モータージャーナリストの菰田 潔がDS4エスプリ・ド・ヴォヤージュほか5台の輸入車に試乗!!

モータージャーナリストの菰田潔さんが5台の注目輸入車に試乗!

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ランドローバー・ディフェンダー110 V8「このモダンさに惹かれる」

今のようにSUVが流行る何年も前からランドローバーは荷物を積んでどこにでも行けるクルマを造っている。イギリスの会社だし保守的かなと勝手に思い込んでいた筆者が、デザインで衝撃を受けたのがディフェンダー。泥んこになって走ることもあるクルマなのに、スッキリとしてモダンなところに惹かれる。太いタイヤがオーバーフェンダーの中に収まり、台形のプロポーションが強調されていい。都会で出会うディフェンダーはオーナーが綺麗にしているから、テールライトなどでそのモダンさがよくわかる。このデザインは見ているだけで元気をもらえる。意外にも近代的なのは計器盤で、回転計と速度計を並べて表示する標準タイプから、ほぼ全面を地図にすることも可能。中央に回転計がレイアウトされ、その中にデジタルの速度計が組み込まれるパターンなど5種類から選べる。フロアは高く、アイポイントがかなり高いので見晴らしがいい。サスペンションのストロークが長く、乗り心地はすこぶる快適。ソフトなのに揺れ過ぎないところがいい。5リッターのV8エンジンで長距離ドライブが楽そうだ。




ロールス・ロイス・ゴースト「乗る人のために快適性を追求」

ハンドリング誰しも超高級車と呼ぶロールス・ロイス。その中で一番小さなボディ(といっても5545×2000×1570mm)がゴーストだ。2020年に11年ぶりのフルモデルチェンジで新世代に進化し快適性とハンドリング性能が飛躍的に向上したことを鮮明に覚えている。3年振りにハンドルを握って、再びあの味を確かめてみる機会を得た。自重が2540kgもあるから当然タイヤとホイールも21インチと大きい。このバネ下の重さは凹凸路面を走行したときにブルブルと感じるはずなのに不思議とそれがない。その秘密は前輪のアッパーアームに小さなウレタンをいくつか挟み込んで振動を抑え込んでいるのだ。開発者がここまで乗る人のために快適性を追求してくれていると考えただけでも嬉しい。さらにドライバーが乗ったら2.6t超の重量は走りには不利なはずだが、ワインディング・ロードを気持ち良く走れる。並のセダンなら余裕で追いかけ回せるくらいの実力がある。重量バランスがフロント・ヘビーでないからコーナー進入でスムースにターンインできる。今回もゴーストはこの走りで元気をもらえた。

文=菰田 潔

(ENGINE2024年4月号)

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