2024.06.05

CARS

「もはやスーパーカーより貴重な存在!」 モータージャーナリストの斎藤慎輔がケータハム・セブン340Rほか5台の注目輸入車に試乗!!

モータージャーナリストの斎藤慎輔さんが5台の注目輸入車に試乗。

全ての画像を見る


advertisement


フィアット・ドブロ「思いのほかに」

ルノー・カングーにはじまり、シトロエン・ベルランゴといった欧州のカーゴ車両ベースの乗用車の、日本でのちょっとしたブーム。プジョー・リフターはまだしも、そのフィアット版のドブロまでも日本仕様を用意してくるとは思ってもいなかった。 ちなみにイタリア本国では、すでに大半がBEV仕様とのことで、いまとなってはディーゼルは輸出用に用意するといった状況らしく、これまたちょっとした驚きじゃないだろうか。なによりありがたいこと。 ドブロが素敵なのは、商用車ベースらしい黒バンパーをそのままに、ベルランゴやリフターよりも装備も少しばかり簡素にして、価格もお安くしている点。 なのだが、ドライバー目線からすると、そんな雰囲気でありながら遠出も楽々にこなすばかりか、実はワインディングも気持ちよく走れてしまう。一人乗車だとリア荷重が軽いこともあって、アンダーステをちょうどよく補正するくらいにリアをごくごく軽く流しながら駆け抜けていけることに思わず笑顔が溢れたものだった。超実用的なのに思いのほかにファンなのです。




マセラティ・グレカーレ・トロフェオ「飛ばすほどに幸せ」

プレミアム・ブランドのSUVは続々と登場しているが、これほど直球勝負的なものは珍しいかも、です。 エクステリアはマセラティの伝統に則り、極めた派手さはないが品を備えたもの。そして走りは徹底して拘っています。中でもトロフェオは特にそれが顕著です。 よく伝えられているように、エンジンは今回の大試乗会にも登場しているMC20と基本は同一。90°バンクの3リッター V6ユニットで、搭載位置に余裕があることもあり、さすがにドライ・サンプではなくウエット・サンプですが、その咆哮と豪快なパワー・フィールに、なんとも虜になってしまうのでした。 この快楽との引き換えだけならともかく、飛ばしていない時においてさえ、この時代にこの燃費でいいのでしょうか? と思ったりもしましたが、聞けばマセラティのお客さんに燃費を問題視するような人はまずいないのだとか。それよりともかくパワーを、だそうで、そりゃあこうなるなと納得させられた次第。普段使いにも十分応えてくれますが、飛ばすほどに幸せになれるので、強固な自制心が必要になるのでした。




ボルボXC40リチャージ・アルティメット・シングル・モーター「なんだか嬉しくなる」

ボルボといえば、いわば安全オタクから環境性能一直線まで、いったん事を始めると徹底しているメーカー。そのくせ、その変わり身の早さも見事なもの。 といっても手段を素早く変えるだけで、目指すところは変わらない。その典型がXC40リチャージなんじゃないか。なんてったって、前輪駆動だった(AWD仕様もあった)ものが、いつの間にか後輪駆動に変えられてきたのは、ちょっとした驚きだった。 そんなことが可能なのは、もちろんBEVだからだけど、それにしても前代未聞。理由はバッテリー・スペースの拡大とかいくつか挙げられてはいるようだけれども、後輪駆動と知るだけで、なんだか嬉しくなってしまうのは、私のような昭和世代では珍しくなさそう。 走らせてみれば、そうそうこれなのよ、この後ろからの蹴り出し感、それに駆動力の影響のないステアリング。あらま、随分とスッキリとしたいい感じになっているじゃないですか。これが、理知的雰囲気をもたらすデザイン、本皮革の使用を一掃したインテリアの車から得られるという意外性もまた悪くないです。

文=斎藤慎輔

(ENGINE2024年4月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement