2024.03.09

CARS

これがマセラティMC20チェロに試乗した自動車評論家のホンネ!!「イタリアの文化的遺産をフル活用 あらゆる点でエモーションを刺激する」by 小川フミオ

ミドシップに3リッター V6ツインターボの「ネットゥーノ」エンジンを搭載する「空」の名を与えられたオープン・ボディのマセラティMC20チェロ

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今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! ミドシップに3リッター V6ツインターボの「ネットゥーノ」エンジンを搭載する「空」の名を与えられたオープン・ボディのマセラティMC20チェロ乗った田中誠司さん、小川フミオさん、斎藤聡さんのホンネやいかに?


「盛大な祭りに参加している気分」田中誠司

10年くらい前のこと、現役に近いF1レースカーを改造して2人乗りにした“2シーターF1”で、アブダビのグランプリ・サーキットをドライブしたことがある。背後のV10ユニットの鋭さ・滑らかさにも驚かされたが、乗り心地が素晴らしいのが何より印象的だった。トレッドが広くサスペンションがよく動き、タイヤのハイトも高いことが奏功していたのだろう。



MC20チェロで路上に繰り出して、脳裏に甦ったのはこの体験だ。シザー・ドアを備え、地を這うようなフォルムを持つ2シーターであるMC20だが、乗り心地がとてもいい。ロードカーとF1では目指すところが違うといっても、幅広く配置された4つのタイヤの中央近くに乗員が座り、優れたフットワークを目指すという大枠には共通性があるのではないか。

エンジンは、5000rpmまでは低く唸って振動を伝えてくるだけに思えるが、そこから先で途端に俊敏さを増し、清流のような爽やかさを備えながら協和音とともに痛快なパワーが解き放たれる。神輿の代わりにマセラティのトライデントを担いで、盛大な祭りに参加している心持ちになる。




「あらゆる点でエモーションを刺激してくれる」小川フミオ

ガイシャ感がめちゃめちゃ強いのがMC20チェロ。性能、スタイル、価格、そして(これは絶対的な価値である)ブランド。私は幸運にも、モデナの本社での発表会と、そのあとシチリアでのドライブにも参加して、青い空の下、大きなガラスがはめこんであるハードトップを開けて走る気持ちよさを堪能したこともあります。クローズドの状態でもガラス・ルーフの濃度が変えられるなど、ぜいたくな装備が高価格車ならでは。

前後ともにタイヤは20インチ径ロードホイールとの組合せで、昨今の水準ではやや小径ですが、1215mmしかない車高と、クラディング処理によって細身に見せたボディ側面のデザインが効を奏して、端正なアスリートのようであります。

イタリアの文化的遺産をフル活用しているなと思うのは、チェロのネーミング。世界的に知られたポンキエッリ作のオペラ「ラ・ジョコンダ」のアリア「チェロ・エ・マーレ(空と海)」があるから非イタリア語圏のひともピンとくるでしょう。マセラティって、あらゆる点でエモーションを刺激してくれる。そこですよ、そこ。いまの開発陣はホントよくわかってます。




「ラグジュアリー・スーパースポーツといいたくなる!」斎藤聡

空気がピンと張りつめたように冷たい朝イチの試乗枠。「屋根、開けますか」の問いかけに「はい」と即答するEPC会員さん。聞かなきゃよかったと半ば後悔しながら、チェロの名前のとおり空を楽しむモードに。

V6 3リッター・ツイン・ターボは630馬力/730Nmを発揮。どう考えたって過剰である。しかし過剰こそが有難く尊いのがスーパースポーツの世界。果たしてマセラティのお点前は。

まず感心したのはボディの硬さ。ものすごく剛性感がある。その硬いボディに取り付けられたサスペンションは路面からのショックをじつにしなやかに受け止め収束させる。コーナーではしなやかに動くサスペンションが、タイヤを路面にヒタッ! と密着させ吸い付くような安定性を見せてくれる。

そしてびっくりするくらい乗り心地がいい。ごつごつしたところが一切なく、エレガントなマセラティのテイストをスーパースポーツでも実現しているのだ。帰りのクローズド・ルーフのほっとする暖かさはさらに幸せだった。ラグジュアリー・スーパースポーツといいたくなるクルマだった。

マセラティMC20チェロは、クローズド・ボディのMC20同様、ミドシップに3リッター V6ツインターボの「ネットゥーノ」エンジンを搭載し、最高出力=630ps/7500rpm、最大トルク=730Nm/3000-5750rpmを発生する。トランスミッションは8段AT。全長×全幅×全高=4670×1965×1215mm、ホイールベース=2700mm、車重=1750kg。車両価格=4438万円(プリマセリエ・ローンチ・エディション)。


写真=小林俊樹(メイン)/茂呂幸正(サブ)

(ENGINE2024年4月号)

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