2024.03.11

WATCHES

「ヴィンテージな気分でクルマをかっ飛ばすのにこの時計は最高に似合う」 いま最高にセンスのいいドライバーズ・ウォッチ「ヴァシュロン・コンスタンタン ヒストリーク・アメリカン」

ヒストリーク・アメリカン 1921

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クルマ好きの心の琴線に触れるドライバーズ・ウォッチ10本をエンジン時計委員に推してもらった。機能で選ぶか、それともデザインで選ぶか。さあ、春のドライブにどのモデルと出かける? 一本目の今回は、各委員が真っ先に挙げたドライバーズ・ウォッチの代名詞、ヴァシュロン・コンスタンタンの名作、「ヒストリーク・アメリカン 1921」だ。

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「古典と前衛が入り交じる」野上亜紀

個人的には昔から、1920~30年代という時代が好きだ。フランスにおいては大戦後の工業復興に伴い人々の都市への移動が盛んになり、絶対的な自由を求めた文化人による名作が数々誕生した時代である。ドライバーズ・ウォッチとして有名な、印象的な文字盤を持つこのクッションモデルは、1920年代のアメリカ市場向け腕時計に範をとったもの。古典と前衛が入り交じる佇まいが当時の風を感じさせ、心躍らせる。この時計に似合うのは、青空の下での爽快なドライブ。解放感あふれる時をともに楽しみたい。

歴史的モデルの100周年を祝う2021年にはホワイトゴールドによる40mmと36.5mmのモデルが加わった。


「傾いた文字盤が見やすい」本間恵子

この特徴的な文字盤の配置は、すごく見やすい。腕をぐっと曲げる「時計を見るポーズ」をしなくても、手元に何気なく目をやったときに少し傾いた文字盤がちょうど見やすい向きになっている。このデザインはクルマの運転中にハンドルが……云々を抜きにしても、人間工学的に正しい。実際に着けてみるとより実感できるので、ぜひ試着してみてほしいと思う。オリジナルモデルが誕生したのは小説『華麗なるギャツビー』の時代。ヴィンテージな気分でクルマをかっ飛ばすのにこの時計は最高に似合うのだ。




「夢見るデューセンバーグ」菅原茂

ドライバーズ・ウォッチの古典的名作として名高いこのモデル、オリジナルウォッチを着けたのはどんな人で、どんなクルマを運転していたのか想像してみた。思い浮かぶのはあの映画。1922年のアメリカが舞台の『グレート・ギャツビー』、そして富豪のステータスを象徴する豪華な高級車デューセンバーグだ。100年前と今は時代が違っても、この時計が似合うのは現代版ギャツビーやそんなクルマではなかろうか。私ですか? 運転はしません。でも、時計でカッコつけたい気持ちは十分アリです。




ヒストリーク・アメリカン 1921
クッション型ケースや斜めに傾いたダイアル表示、ケースの1時と2時の間に配されたリュウズなどユニークな特徴をもったこの時計のオリジナルは、ヴァシュロン・コンスタンタンがアメリカ市場向けに1919年と1921年にごく少数製作した歴史的モデル。斜めのダイアルはハンドルを握ったままで時刻が読み取りやすいことからドライバーにも人気だった。手巻き。ピンクゴールド、ケース直径40mm、3気圧防水。580万8000円。


(ENGINE2024年4月号)

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