2024.03.28

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クルマ好きが集う、秘密基地を訪ねる(後篇)

まるで幼少の頃、日が暮れるのも忘れ、友達と過ごした、秘密基地にいるような感覚だった。口にするのは、最近気になるクルマのことばかり。このクルマはどうかな、いや、いっそあの電気自動車はどうだろう。……気心の知れたクルマ好き同士だからこそ、語り合えるひととき。今回は後篇として、神奈川・川崎にあるCloud Garageのショールームの中で耳にした、ある2人のクルマ好きの現在の愛車と、その遍歴についてご紹介していこう。

暗闇に映える白い車体

最初にこのクルマ好きの集う秘密基地のようなCloud Grage(クラウド・ガレージ)にやって来たのは、純白のメルセデス・ベンツGクラス。漆黒の壁と鏡に囲まれたCloud Grageの中だと、その白さが際立つ。



オーナーの安藤永敏さんがCloud Grageの松田雄士さんと知り合ったのは、4年ほど前のこと。ちょうどこのショールームが完成した頃だったという。911をはじめとする、ポルシェに特化した姉妹店舗でもあるCloud(クラウド)で、ケイマンGT4を購入したことがきっかけだった。

以来安藤さんがここで購入したクルマは、ポルシェ・マカン、ジープ・レネゲードにBMWミニなど、家族用も含めて10台ほど。基本、購入についてはCloud とCloud Garageで、買い取りについては外車MASTER(マスター)で行っている。




てっきりその名前から、Cloud GarageとCloudの母体である横浜ユーポスのクルマ買い取り事業、外車MASTERは輸入車専門かと思っていたのだが、国産車にも対応しているそうだ。安藤さん自身も、ホンダ・シビック・タイプRやマツダCX-3、ニッサンGT-Rなどの買い取りを依頼している。

さらに、彼が手放したのは車両そのものにとどまらない。過去の愛車の、R34型スカイラインのメーター・ユニットも箱入りのままCloud Garageが引き取ったそうだ。いまや2000年代以前のクルマはかなり注目されているが、こうした部品も、きちんと価値が評価され、買い取りの対象となっている。

秘密基地で飛び出すエピソード

安藤さんが普段乗るのはGクラスのほか、近隣の駅までの足として乗るマニュアル・トランスミッションのフィアット500だが、とっておきの時はフェラーリ488に乗る。



「だいぶマニアックなんですよ」と松田さんが言うとおり、安藤さんがこれまで乗ってきたクルマはこだわりのあるものばかり。社会人になってからは飲食や輸入業の世界に身を投じ、家族の関わるペット事業にも携わるなど忙しい身でありながら、安藤さんと松田さんとのホット・ラインは週に何度も繋がるそうだ。そして、その会話は、もちろんクルマに関わることである。

なにせ安藤さんの話を聞いていると、クルマ好きならつい、ほほう、と声が出るエピドードがぽんぽん飛び出してくる。ポルシェの純正ナビの年代による正確性の差。500のドライビング・ポジション改善のため、フィアットの筋では有名なお店で部品を買ったこと。ドアの開け閉めに力が要るけれど、乗った瞬間にホッとできる普段のGクラスのこと……本当に、話が尽きない。



Gクラスを選んだ理由には、現代のクルマとして見た時、ライバルに比べ絶対的に小さなサイズだったり、直線基調のデザインによる意外なほどの狭い場所での取り回しのし易さなどなど、クルマ好きならではの2人の視点も加わっている。さらに安藤さんはレンジローバーやDSなども幅広くチェックし、欲しいと思っていたシートのマッサージ機構など、細かな装備表もくまなく目を通している。その上で松田さんがリセール面を踏まえた装備などを提案し、購入に至ったのだそうだ。



それにしても2人のトークはほんとうに息があっていて、正直、うらやましくなってしまった。身体のことやお金のことなどもそうだが、クルマのことは全部まかせておけば大丈夫、という安心感に加え、クルマ好き同士だからこそ相通ずる趣味趣向がピタリと合っている。これならクルマを手放す時に、不安になったり悩むことなどないだろう。競合の買い取り業者と何社もやりとりをしたりするような手間は、ここには一切ない。



さて取材当日、実はマツダ・ロードスターがCloud Garageには並べられていた。松田さんが安藤さんに、フィアット500の代わりにと提案する1台だ。もちろんマニュアル・トランスミッション仕様。こちらも真っ白で、Gクラスに負けじと輝いている。

「理想はSLKみたいなリトラクタブル・ハードトップだけど、現行型は設定がないし……」という彼に「いや、安藤さんが選ぶのは絶対ソフトトップ。分かってますよ」と松田さんが笑顔で返す。



その後も「500から乗り換えるなら、いっそアバルト695トリブート・フェラーリのアル・ジャポーネはどうかな」「うちでもドグミッションの500ビボストなら5台くらい扱いましたよ」という感じで、楽しそうな会話はずっと続いていったのだった。

艶消しの“MN”

Gクラスに続いてやって来たのは、マットブラックのトヨタGRヤリスだった。しかも、リミテッド・エディションであるGRMNヤリスである。



三次元曲線の複雑なリア・ウイングを持つことから“サーキット・パッケージ”であることが分かる。白いGクラスとは真逆に、暗闇に溶け込むかと思いきや、その存在感はむしろ、周りの輸入車たちを圧倒するくらいだ。



「日本製のカーボンってめちゃくちゃイイんですよ。光がシミにならず、綺麗に広がるのが分かりますか?」

GRMNヤリスを前にそう熱く語るのは、モータースポーツの世界に公私ともに積極的に関わり、ポルシェやロータスでのサーキット走行の経験も豊富な佐野順平さんだ。「このCloud Garageのスポットライトで照らされると、カーボンの善し悪しがすごくよく分かる。日本のカーボンには、ドイツやイタリア製は勝てないですよね。これを肴にお酒が飲めますよ」と笑う。



6年ほど前、佐野さんが991型のポルシ911 GTSを目当てにやって来たのが、Cloud Garageとの繋がりができたきっかけだった。

ところがその後、世界がコロナという病に冒され、先行きが不透明になり、自動車のマーケットも萎縮し、まともな買い取り価格での売却ができなくなった。当時佐野さんが所有していた991型のGT3 RSも、どこも適切な値付けがされず途方に暮れていたところ、車両販売のCloud Garageと対をなす、買い取り事業部の外車MASTERが手を挙げたという。「それが本当に強く印象に残ったんですよ」と佐野さんは笑みを浮かべる。




Cloud Garageの松田さんは「大変な時期だからこそ、外車MASTERはあえて仕入れを止めることしなかったんです」というのだが、誰もが先行きの見えなかったあの当時、大きな決断だったはずだ。

佐野さんは「外車MASTERの一番すごいところは、結果として、新車が気兼ねなくオーダーできること」という。買い取りがなぜ新車に繋がるのか? と尋ねると、「納車が近づいて来るのに売却先が見つからないことって、実はすごくクルマ好きにとってのストレスだし、不安なんです。けれど外車MASTERはだいたい予想通りの適切な価格で、ちゃんと下取りをしてくれる。だから新しいクルマを、臆することなく、素直に欲しい時にオーダーができる」のだそうだ。



ロシアのウクライナ侵攻以降は、納車までのタイミングも読めないことが多くなった。そうなると売却のタイミングはさらに判断が難しい。次のクルマが来るまでの、どのタイミングで手放すのが適切なのか。そうしたことも相談にのってくれるのだという。

もちろん、正確に1年、2年先の下取り価格を出すことは、そうたやすいことではない。それでもいちクルマ好きとしては、常に気にしている中古車の価格相場と下取り額が、あまりにもかけ離れているのは悲しい。自分が本当に好きで手に入れたものだからこそ、適切な評価が欲しいと思うのは当然のことだ。佐野さんは外車MASTERと出会ってから、そういう思いを抱くことがなくなったそうである。

目利きによる口コミ

“GT3 RS”や“GT4”、“LT”などのいわゆる役モノのポルシェやマクラーレンを乗り継いでいる佐野さんだが、最近は「もうGRコレクターみたいになっている」とすっかりGRにご執心だ。



当日乗ってきたGRMNヤリス以外に、86GRMN、GRカローラと、現在はGRモデル都合3台を所有するという。GRMNヤリスについては「車体の剛性感の高さ、いやもう剛体感とでもいうのかな、ポルシェと変わらないんですよ。911GT3 RSみたいな過激さやヒヤヒヤする感覚まではさすがにいかないけれど、乗った時の楽しさはケイマンGT4と同じくらい。たとえポルシェやフェラーリから乗り換えても、いいクルマじゃん、と感じるし、運転も楽しいんですよ」と絶賛である。

Cloud Garageの松田さんは、GR各車については佐野さんに教えてもらっているのだという。加えて佐野さんからだけでなく、この秘密基地にやって来るほかのクルマ好きからも、似たような高い評価を耳にしていたそうだ。目利きの口コミの力は侮れない。Cloudの主力はポルシェ911であり、Cloud Garageが主に扱うのは輸入車ではあるのだけれど、今後はGRの扱いも増えるかもしれない。



会話のさなか、ふと佐野さんは「IQのGRMNってあったよね。スーパーチャージャージド・エンジンの。あれも欲しいんですよ。車体が小さいから危ないって家族から反対されるんだけど(笑)」と漏らした。するとその声を、松田さんは聞き逃さなかった。どうやら1台、心当たりがあるようだ。



Gクラスに乗る安藤さんと、GRMNヤリスに乗る佐野さん、2人があらたなる1台でまたこの秘密基地にやって来る日は、どうやらさほど遠くはなさそうである。




文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=岡村智明

(ENGINE WEBオリジナル)

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