2024.03.29

CARS

ヤフオク7万円で買ったシトロエン、修理の間は代車生活【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#34/ランチア・ゼータ2.0t(1997年型)短期リポート前篇】

ランチア・ゼータ2.0tは1990年代後半、10数台が輸入されたようだ。当時の価格は約500万円。

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ヤフー・オークションで手に入れた7万円のシトロエン・エグザンティアを、10カ月と200万円かけて修復したエンジン編集部ウエダの自腹散財リポート。天国と地獄が代わる代わるやってくる本篇をちょっとお休みし、ウェブ・プロデューサーのひとことから、エグザンティアの修理中に乗っていた、とある代車についてリポートする。

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ゼータ(Z)を知っているか?

「これ、なんていうクルマですか?」

ENGINE WEBで長期リポート中のシトロエン・エグザンティアが修理で入庫している2週間ほどの間に、こう質問されたのは実は1度や2度ではない。駐車場の管理人も、知り合いの営業マンも、某国産スポーティカーの潜むお隣のパーキングの借主も、誰もその存在を知らなかった。『ENGINE』2024年5月号の巻頭特集「ちょっと古いクルマ探検隊。」の取材で、ジャーナリストのちょっと古い愛車5台を集めた時も、エンジン編集部員の愛車3台が集まった時も、実はいちばん注目されたのはこのエグザンティアの代車だった。



その名を、ランチア・ゼータ(Z)という。まるでレースのサポート・カーのようにリア・ハッチにはステッカーがたくさん貼られているものの、濃いブルーのボディは街中に自然と溶け込み、まったく目立つことはない。ぱっと見には日本の路上のどこにでいそうな、両側スライド・ドアの古めのミニバンである。



「上田くん、あれ、いつまで乗っているの? せっかくだからリポートしてよ。なかなか見られない“ちょっと古いクルマ”でしょ? いつものエグザンティアの番外篇として2回くらいでさ」

そういうのはENGINE WEBのウェブ・プロデューサーであり、初代フィアット・パンダと2代目ムルティプラに乗る編集部のシオザワさん。この間の撮影の合間にちょっとゼータの横に乗せて、あたりをひと回りした時の印象が良かったみたいだ。



「ゼータ、いいですよねぇ。写真を撮っても大丈夫ですか?」

そういうのはやはりその時横に乗った、本誌アルバイトながら初代ポルシェ・ケイマンとユーノス・ロードスターに乗るオオテくん。確かに、これはちょっとビックリするほど凝ったクルマなのである。

特に凝っているのは中身だ。室内を見れば一目瞭然。ランチアらしく上品なグリーンのアルカンタラのシートが6脚も並んでいる。



2列目シート。中央のグレーのシートはプジョー806用。その上には赤い像さんが。ゼータは基本2+2+2の6人乗りもしくは2+3+2の7人乗りの2つのシート・バリエーションがあったようだ。

ただし中央列の真ん中にだけ、グレーの色違いのシートが付いていた。


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