2024.07.01

LIFESTYLE

五感を刺激する薪火料理がトレンドです! 素材をしっとりと焼き上げる「麻布室井」 

月替わりのコース(4万9500円〜)の締めの定番「薪ごはん」。出汁で炊いた土鍋ご飯に薪で焼いた食材を乗せた後、薪を乗せて蓋をすることで香りを閉じ込めている。写真は薪で炙ったホタルイカとそら豆をたっぷりのせた春バージョン。

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薪を熱源として取り入れる日本料理店がオープンしている。食材をしっとりと焼き上げ、薪の香りも楽しめる、「麻布室井」の薪火料理の魅力を伝えよう。

薪の燻香をつけた土鍋ご飯

東京で薪火料理がトレンドになったのは2018年頃のこと。当初薪火を取り入れ始めたのはヨーロッパ料理のレストランだったが、最近は日本料理でも薪を熱源として使う店が増えてきた。

2022年に東京・銀座にオープンした「麻布室井」の店主・室井大舗氏は、人気店「神楽坂 石かわ」と「紀茂登」で修業した32歳。国内外の食通に評判の約14品のコースは、季節感を重視しつつ素材を活かし、薪火と炭火を使い分けるのが特徴だ。魚をパリッと焼きたい時には炭を使い、食材をしっとり焼きあげたい時には薪を使うのが室井流。薪火を使うのはコース終盤の2品で、しっとりと焼かれたシャトーブリアンは箸で切れるほど柔らかく、薪の香りが調味料のように感覚に働きかけてくる。土鍋ご飯は、出汁で炊いたご飯の白米の上に旬の食材と薪を乗せて蓋をし、薪の燻香を瞬発的につけたもの。蓋を開けた瞬間に立ち上る煙と香りに五感が刺激され、旬の味覚に気持ちがやすらぐ。

桑名のハマグリの出汁で蒸したもち米に白魚をのせ、瀬戸内の新物のこのわたをのせた飯蒸し。

麻布室井 東京都中央区銀座5-5-12 HULIC&New GINZA MIYUKI510F 店内はカウンター10席と個室1室(〜6名)。完全予約制で17時半と20時半の一斉スタート。予約は予約サイトOMAKASEで。

文=小松めぐみ(フード・ライター) 写真=古田登紀子

(ENGINE2024年5月号)

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