2024.05.04

CARS

ヤフオク7万円で買ったシトロエンのオーナー、エンジン編集部ウエダが、フランスの聖地で出会ったとびきりレアなクルマ、その2【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#37】

エンジン編集部ウエダが仏パリ郊外にあるシトロエン博物館“コンセルヴァトワール”で出会った、歴代最強のエグザンティアがこれだ!

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ヤフー・オークションで手に入れた7万円のシトロエン・エグザンティアを、10カ月と200万円かけて修復したエンジン編集部ウエダの自腹散財リポート。エグザンティアの生誕30周年を祝う海外イベントに参加した番外篇もそろそろ終盤。前回のセクマF16ターボに続き、今回もパリ郊外にあるシトロエン博物館、“コンセルヴァトワール”の外で出会った、珍しいクルマとそのオーナーを紹介しよう。

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最強のエグザンティアに乗る

セクマに乗るルコントさんに礼をいって腕時計を見ると、時刻は11時を過ぎていた。おそらくランチを食べに出かけるのだろう。アクティバたちが連なって駐車場から出ていく。その様子を撮っていると「君のことはベリニエから聞いているよ」とまた1人のアクティバ・オーナーが話しかけてくれた。



彼の名はYohann Lerosier(ヨハン・レロジエ)さん。フランス語でルージュ・ピヴォニー・ナクレという、オレンジ・メタリックのアクティバの持ち主だ。わざわざ日本から来たのだからと、彼は僕に、愛車の助手席での同乗体験をさせてくれるという。「日本には数台アクティバはやって来たんだけど、この色は初めて見たよ」などと話しながらクルマを見せてもらうと、レロジエさんのアクティバのリア・ハッチには“V6”のエンブレムが輝いていた。

「え? これV6アクティバなんだ!」と驚くと、彼はニコリと笑みを見せた。実はアクティバというのはグレード名でなく、ちょうど30年前、1994年に誕生したサスペンション・システムの名だ。日本には2リットル・ターボのみわずかな台数が輸入されたようだが、フランス本国や欧州市場では2リットル自然吸気やディーゼルなど、他のパワーユニットとの組み合わせの設定もあったのである。



レロジエさんのアクティバは、その中でもトップ・パフォーマーの3リットル24バルブのV6自然吸気エンジンを搭載したV6アクティバだ。最高出力は190ps。このV6エンジン自体は日本へ導入されているが、もちろん足まわりはアクティバではない。日本仕様のV6の変速機は4段ATだが、彼のV6アクティバは5段MTである。

V6搭載モデルの登場は、やや丸みを帯びた前後バンパーや、クリアのテール・ランプが特徴の後期型からとなる。ホイールは僕のリポート車と同じ15インチだが、やや幅広の205/60R15タイヤを履いていた。この時はまだまだ冷える季節ということもあって、銘柄はミシュランのオールシーズン・タイヤ、クロスクライメートだ。

多くのアクティバは上位車種ということもあり、インストゥルメント・パネルやシフトにウッド調の素材が用いられている。シートの形状や柄も専用だ。ただしレロジエさんのV6アクティバのシートはオプションで用意されていたブラック・レザーで、立派な肘掛けも付いていた。




ルーフの一部はクリア塗装が少し剥がれてしまっているし、メーターを覗き込んでみると積算計の数字は30万kmオーバーだ。だが、僕が助手席に座るやいなや、レロジエさんはアクティバを急発進させた。そして、コンセルヴァトワールの目の前にある大きなラウンドアバウト(環状交差点)へ飛び出していく!

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