2024.05.22

CARS

ヒョンデ・アイオニック5Nは650psのスーパーEVハッチ ドリフト・モードのほか、ギアチェンジも再現

日本市場に再度参入したヒョンデは、電気自動車=バッテリーEV(BEV)の「アイオニック5」(IONIQ 5)と「コナ」(KONA)、そして燃料電池自動車(FCEV)の「ネッソ」(NEXO)という電動車両のみを日本に投入している。

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高性能BEV

今回、アイオニック5をベースにしたスポーツ・モデルとなる高性能BEV、「アイオニック5N」の日本導入を発表した。また、カタログモデルの発売に先立ち、5月30日までの期間限定で50台限定車「アイオニック5Nファースト・エディション」の受付を開始する。



ヒョンデのAMG

ヒョンデの「N」は2015年に立ち上げた高性能モデルのブランド。メルセデス・ベンツの「AMG」やBMWの「M」、レクサスの「F」のような立ち位置になる。「N」はR&Dがある韓国の南陽(ナムヤン)、Nモデルの開発テストの舞台であるドイツ・ニュルブルクリンクの頭文字から取ったものだ。「N」ブランドは「ドライビングの楽しさ」を追求。電動モデルや内燃機関車を問わず、様々な「N」モデルをリリースしている。

「N」が掲げるコンセプトは、「Corner Rascal」(コーナーリング性能)、「Racetrack Capability」(サーキットを本気で走れる能力)、「Everyday Sportscar」(日常もドライビングを愉しむ)の3つで、電動車両の走りを磨き上げたシリーズになっている。

専用デザインで高性能をアピール

アイオニック5Nのエクステリアは、スポーティかつ空力性能に配慮された専用デザインを採用。N専用フロント・バンパーは、空力性能向上のためのエア・カーテン、アクティブ・エア・フラップとともに、アグレッシブなデザインのブラック仕立てにより高性能なイメージを演出している。N専用リア・バンパー&ディフューザーがリア・ビューを引き締めていて、リア・ディフューザーは、高性能デザインのポイントであるBEVのN専用のルミナス・オレンジ・ストリップで包み込まれていて、車両ロア部の空力性能改善にも寄与している。

足元では、N専用ホイールアーチ・モールディングとエア・カーテンが目を惹く。Nシリーズ専用となる21インチ鍛造ホイールと275/35ZR/21のピレリ製Pゼロ・タイヤの組み合わせで、ホイールにはNセンターホイールキャップも付く。



バケットシートで走りをサポート

インテリアには、サーキットなどでの高いホールド性はもちろんのこと日常使いでも高い快適性が得られるヒーターとベンチレーション機能も備えた「N」モデルだけのバケットシート、「Nライト・スポーツ・バケットシート」を装着。さらに、N専用レザー・ステアリング・ホイールは、スポーツ走行に適したステアリングホイールに、レザー素材が組み合わされている。また、N専用のセンターコンソールにはニー・ホールドのためのパッドが備わり、サーキット走行時にもドライバーの姿勢を保持する。



650psを受け止めるシャシー

アイオニック5Nに搭載されるパワートレーンは前1基、後ろ1基の前後2モーターで4輪を駆動。前輪用が226ps(166kW)、後輪用が383ps(282kW)の計609ps(448kW)を発生。一定時間バッテリーとモーターのパフォーマンスを最大化し、一時的に出力を高めることで高い加速性能を実現する「Nゲイン・ブースト」(NGB)時には、前輪238ps(175kW)、後輪412ps(303kW)の計650ps(478kW)に達する。

走りを高める装備として、「Nコーナー・カービング・ディファレンシャル」(e-LSD)を用意。後輪の左右に、最適なモーター出力が伝達するように制御する電子式作動装置で、駆動力を的確に路面に伝えることが可能になる。さらに、N専用電子制御サスペンション(ECS)も搭載。こちらは、ホイールGセンサーと6軸ジャイロセンサーの採用により、制御精度を向上。大容量可変ダンパーにより、走行性能を最適化させることが可能だ。

また、N専用高性能ブレーキと回生ブレーキの「Nブレーキ・リジェン」(NBR)の搭載もトピックス。高出力化に対応するため、前輪には4ピストン大口径ブレーキと、最大0.6G減速が可能な回生制動により、強力な制動性能を発揮する。



サーキットを楽しむアイテム満載

サーキット走行を見据えた装備や機能も多数用意している。「Nレース」(スプリント/エンデュランス)は、サーキットでの走りに合わせて最適なパフォーマンスを発揮できるようにエネルギーをマネージメント。「スプリント」モードにすると、短時間で最大パワーを引き出し、最速のラップタイムに寄与する。「エンデュランス」モードにすると、エネルギーマネージメントによって、サーキットでの走行時間を最長化できる。

「Nバッテリー・プレコンディショニング」(ドラッグ/トラック)も搭載。サーキットの走行状況に合わせて最適なバッテリー温度を事前に設定することが可能で、「ドラッグ」モードにすると、短時間で最高出力をするために、バッテリー温度が摂氏30~40度に設定される。「トラック」モードでは、サーキットでの走行持続性が重視され、バッテリー温度が20~40度に設定される。

また、サーキットでのロケットスタートを実現する「Nローンチ・コントロール」も搭載。停止状態から最大加速性能でスタートできる機能で、路面のグリップ・レベルを「ロー」、「ミディアム」、「ハイ」から選択可能で、状況に応じたホイール・スリップとトルク制御が得られるという。



ドリフトも自由自在

コーナーの直前で、アクセル・ペダルをオフにすると回生ブレーキにより強力な制動を行い、素早い荷重移動で機敏なハンドリング(タックイン)を実現する「Nペダル」も用意する。前輪と後輪の駆動力配分をドライバーが直接設定できる「Nトルク・ディストリビューション」(NTD)、クローズド・コースなどでドリフト走行をスムーズに行うため、駆動力を配分を最適化するとともに車両制御を最適化できる「Nドリフト・オプティマイザー」なども注目の機能だ。

サーキット走行などで使える「レフト・フット・ブレーキング」(LFB)はユニークだ。ブレーキとアクセル・ペダルを同時に操作することが許容され、左足ブレーキを併用した細かいコントロールができる。

ワインディング路や日常使いでも走りを楽しめる装備や機能を満載。仮想の変速動作によりデュアルクラッチ式8段自動MT(DCT)を操るかのようなエモーショナルな加減速が得られる「N e-シフト」をはじめ、「イグニッション」、「エヴォリューション」、「スーパーソニック」の3種類の走行サウンドが楽しめる「Nアクティブ・サウンド+」は、N e-シフトと連動することで仮想のシフトチェンジを音でも表現してくれる。



ニュルブルクリンクに招待

冒頭で触れた導入記念モデルのファースト・エディションには、専用メタル・ドアスカッフ・プレート、専用チェッカー・フットレスト、専用インテリア・エンブレム、Nパフォーマンスブルー・センターホイールキャップ、Nフロアマット(オプションで別売予定)の専用パーツが備わるほかに、なんと「N」ブランドの開発舞台であるドイツ・ニュルブルクリンクで開催されるイベントに招待される。そのほか、オーナー限定のセレモニーなど多様な特典も用意されている。

詳細な価格は6月5日の販売開始を待たなくてはいけないが、税込みで900万円前後になる予定。50台限定のファースト・エディションも同等の価格予定としている。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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