2024.06.02

CARS

ベントレーW12の代替機はV8の「ウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッド」 最高出力750ps以上

ベントレーは、2024年4月をもってW型12気筒エンジンの生産を終了するとアナウンス済みで、2030年までに全モデルを電気自動車=バッテリーEV(BEV)化するという目標を掲げている。内燃機関のみ(ICE)のV8エンジンも生産終了もすでに明らかにされている。なお、6.0リッターW12ツインターボは、過去20年の間に10万5000基が製作され、ベントレーを象徴するエンジンだ。

EVへの橋渡し

電動化といってもベントレーは一足飛びにBEV化するのではなく、当面はハイブリッドを含めた電動化戦略を推進する構えで、今回、W12エンジンの後継として、よりパフォーマンスが引き上げられた完全新設計のV8ハイブリッド・パワートレイン、「ウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッド」を導入することを発表した。



新世代に相応しいユニット

近年の高級ブランドと同様に、ハイブリッド化により単に燃費の向上や排出ガスの低減を図るだけでなく、ベントレー史上最高の出力を発揮。ダイナミックでレスポンスにも優れ、日常使いできる新世代のスポーツ・モデルに相応しいシステムとなったとベントレーは自負している。

ベントレーは、純内燃機関ユニットにおいてもクラストップレベルのパフォーマンスを誇ってきたが、新パワートレインにもこの伝統が受け継がれることになりそうだ。1920年代の「ブロワー」の愛称で親しまれたスーパーチャージャー搭載車が過給器エンジンの先駆けとなり、周知のとおり、その後、排出ガスを利用したターボにカタチを変え、1980年代から現在まで幅広く用いられるようになった。



ベントレー史上、最も先進的で最強

ベントレーは新しいパワートレインで、一歩先を行く「エレクトロチャージャー」でさらなるパフォーマンス向上の実現を目指す。優れたハイブリッド・システムの搭載により、105年間紡いできた歴史の中で最も先進的で最強のパワートレインになるという。

新システムのベースは、ベントレー既存のハイブリッドではあるものの、最高出力は750ps以上で、モーターによる航続距離は80kmと、パワーと効率ともに向上。フライングスパーやコンチネンタルGTの「スピード」モデルに搭載されているW12エンジンよりも91ps以上の出力向上が図られることになる。また、電動化に伴い、より幅広い回転域で4桁のトルクを発揮し、WLTPモードのCO2排出量は50g/km未満になるという。



軽快に吹け上がるエグゾースト・ノート

今回、新パワートレインの特性を示唆するエンジン・サウンドも公開。クロスプレーンが奏でる低音と軽快に吹け上がるエグゾースト・ノートが楽しめるのは朗報だろう。もちろん、電気モードによる高い静粛性も備え、高効率化だけでなく、年々厳しくなる騒音規制にも当然対応することになる。

今後はウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッドがベントレーを代表するパワートレインとしての役割をW12から引き継ぎ、新たなラインアップを確立しながら、電動ラグジュアリーカーとして世界最高のパフォーマンスを提供する。

さらにベントレーは、新たな電動パワートレインの詳細を発表する予定。これはベントレーの「ビヨンド100」戦略を次のステップへと推し進める原動力になるはずだ。また、ウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッドの導入により、全ラインアップにハイブリッド仕様を設定するという目標も達成されることになる。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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