2024.06.13

CARS

世界限定250台のメルセデスAMGピュアスピード・コンセプトがF1モナコGPでデビュー

メルセデスAMGは、5月に開催されたF1第8戦モナコ・グランプリにおいて、「メルセデスAMGピュアスピード・コンセプト」を初公開した。

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熱心なファンとコレクターのために

ピュアスピード・コンセプトは、メルセデス・ベンツの限定モデル「Mythos」(ミトス)シリーズの第1弾という位置づけ。ルーフもウィンド・スクリーンも取り払われた、フルオープンの2シーター・パフォーマンスカー・コンセプトで、モータースポーツに敬意を表して製作された。コンセプト・カーを名乗っているが、メルセデスの熱心なファンとコレクターにのみ250台限定で販売される。



メルセデスAMG ONEハイパーカーからインスパイア

ロングノーズが印象的なエクステリアは、メルセデスAMGの50周年を記念して製作された「メルセデスAMG ONEハイパーカー」からインスパイアされたもので、ボディロア部にレーシーなカーボンファイバー・パーツを配置。ボディ・アッパー部の官能的で、丸みを帯びたフォルムと強いコントラストを生んでいる。

フォルムは、長いシャークノーズが強調された低く構えたフロント・エンドによって印象づけられていて、「メルセデスAMG ONEハイパーカー」からの影響を感じさせる。さらに、「Mercedes-AMG」のロゴが入ったワイドなロワ・エアインテーク、ダークなクロームメッキが施されたメルセデス・スターが存在感を高めている。



F1を彷彿させるヘイローを採用

外観の見どころは、Aピラーに代わって採用されたHALO(ヘイロー)システムと呼ばれる頭部保護機能で、F1でも採用されている車体に接続されたブランケットで構成されている。乗員の頭部保護のための装備で、空力性能にも配慮されている。

足元のホイール・デザインは、前後のホイールに備わるカーボンファイバーのカバーが特徴的で、リア・ホイールのカバーはエアロダイナミクスを向上させるため、完全に閉じた形状になっている。フロント・ホイール・カバーは、ブレーキ冷却とダウンフォースのためにフロント・エンドのエアフローを最適化するためにオープン形状を採用している。



伝説的なレーシングカーを想起

インテリアは、オリジナリティ溢れるカラーや装備を基調に、IWCがデザインした特注の時計がダッシュボードに配置されている。ほかにも、モータースポーツへの敬意が随所に見られる。シート後方に配置された2本のフライングバットレスは、スターリング・モスとデニス・ジェンキンソンによるドライブで、1955年のミッレミリアで優勝した伝説的なレーシングカー「300SLR」を想起させる。

さらに、「ル・マン・レッド」から「グラファイト・グレー」へ変化するグラデーション・カラーにブラックのAMGパターンが施された塗装を採用。ル・マン・レッドは、今から100年前の1924年にシチリア島で開催されたタルガ・フローリオ・レースで優勝したメルセデス・カーのカラースキームに由来するという。

この頃のドイツのレーシングカーは、白がナショナル・カラーだったが、このレッドは、地元のファンがレースでのメルセデスの前進を妨げないようにするためのものだったそうだ。なお、フロント・ウイングに配されたゼッケン「10」は、100年前のタルガ・フローリオの勝利に由来している。なお、価格や日本での発売の有無など、詳細は現時点では明らかにされていない。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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