2024.06.17

CARS

ランチアがラリーに復活 新型イプシロンにラリー参戦車とHFの名を冠した高性能EVモデルを設定

ランチアといえば、「ストラトス」、「ランチア・ラリー」、「デルタ・インテグラーレ」、「インテグラーレHF」など、数多くのラリー車をWRC(世界ラリー選手権)に投入し、輝かしい戦歴を残してきた。そのイメージを色濃く反映したモデルに憧れた人も少なくないだろう。

新型イプシロンで参戦

ランチアは2024年2月に発表した4代目「イプシロン」に今回、ハイパフォーマンス・モデルの「ランチア・イプシロンHF」を2025年5月に投入し、さらに1.2リッター直3ターボ・エンジンを積む「ランチア・イプシロン・ラリー4HF」を擁してラリーに復帰することを発表した。



ランチア愛好家クラブの名称

HFは、ランチアのハイパフォーマンス・モデルに使われてきた名称で、ランチアの熱烈なオーナー、とくにランチアの新車を6台以上購入した人たちのためのエクスクルーシブな「ランチア・ハイファイ(ハイ・フィデリティ)」クラブを1960年設立したときに初めて採用されたという。HFはその後、1963年にチェーザレ・フィオリオ氏がランチア車のドライバーや情熱的なオーナーとともに設立した「HFスクアドラ・コルセ・ランチア」のシンボルとして使用されてきた。

イプシロンは電気自動車=バッテリーEV(BEV)とマイルド・ハイブリッドという2つのパワートレインを用意しているが、イプシロンHFはBEVの高性能バージョンとなる最高出力240psで、0-100km/h加速は5.8秒という俊足が自慢。ローダウン・サスペンションやワイド化されたホイール・ハウス、フェンダーはオーバーフェンダーが装着され、外観も筋肉質なフォルムへと刷新されている。これは、ブランドの歴史を築いた最も先鋭的なアイコンである「デルタHF」から影響を受けたという。



R4クラスをターゲット

また、ラリーへの復帰を模索するイプシロン・ラリー4HFは、最高出力212psを発生する1.2リッター直列3気筒ターボを搭載。5段の機械式トランスミッションと機械式リミテッド・スリップ・デファレンシャルを備えた前輪駆動モデルで、アマチュアを含む、すべてのラリー愛好家が楽しめるだけでなく、「R4」クラスや2輪駆動の選手権での勝利を目指すドライバーに対しても選択肢となりうる高い性能を実現するという。

ランチアはステランティスの傘下に属するが、残念ながらステランティス・ジャパンは今のところ日本への導入を検討していない。しかし、ラリーでの活躍次第では、ランチアが日本の地を踏むことがあるかもしれない。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement