2024.06.29

CARS

大人気のジープ最大の欠点とは? フェイスリフトで新顔を手に入れた新型ジープ・ラングラー・アンリミテッドに、モータージャーナリストの高平高輝が試乗!

ジープ・ラングラー・アンリミテッドのグレードにスポーツが復活

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ジープ・ブランドの、いやすべてのSUVの始祖といっても過言ではない、オフローダーの雄である5代目ラングラーが初の大幅変更を実施。本来の良さを損なうことなく、現代的な機能の充実が図られた。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

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度重なる値上げの影響はてきめん

円安ドル高の逆風を一番強烈に感じているのはジープ・ラングラーのユーザーではなかろうか。実際に、買い替えようと思っているうちに、あれよあれよという間に価格が急上昇して手が出なくなったというオーナーの話を聞いたことがある。



2018年に国内発売された現行のJL型(4世代目)ラングラーは、当初5ドア仕様のアンリミテッド・スポーツで500万円そこそこの値付けであり、若い世代にも何とか手が届くぐらいの価格帯も手伝ってセールスは好調で、2020年の国内販売は約5800台、2021年はおよそ7000台と、ジープ・ブランドを、ひいてはステランティス・ジャパンを支える主力モデルだった。

だがその頃からの度重なる値上げの影響はてきめんで、2022年(1年間で3度も値上げした)の販売台数は約3800台に急減、昨年は少し持ち直したとはいえおよそ4000台に留まっている。原材料価格の上昇や円安の影響だということはもちろん理解できるものの、実際に買えるかどうかは別問題である。装備が多少充実したとしても3年ほどの間に500万円台が800万円台に上がってはまるでクラスが違う。



そんな強気の商売を見直したということか、今回のマイナーチェンジでは2022年にいったん廃止されていたベーシック・グレードのスポーツ(799万円)を復活させ、他のサハラ(870万→839万円)とルビコン(905万→889万円)も価格を下げた。円安の最中で値下げ断行は立派なものだが、いや待てよ、それでもほぼ800万円から。考え込まざるを得ない。

もちろんマイナーチェンジで装備は一層充実した。ベーシック・グレードとはいえ、メカニズムやADAS(運転支援)系の装備に差はなく、上級のサハラとの違いは運転席パワーシートが手動調整式ファブリック・シートになるぐらいだ。

12.3インチに大型化されたセンター・タッチスクリーンと最新型インフォテインメント・システムも全車標準装備、無論2リッター4気筒ターボ+8段ATのパワートレインとセレクトラック・フルタイム4×4と称する4WDシステム(2H/4WDオート/4H/4L切り替え式)も従来通りである。ほぼ2トンの車重に2リッターターボでは心許ないと思うかもしれないが、意外や踏めばかなり敏捷に走れるのがラングラーである。



ちなみに右前フェンダーから生えていたロッドアンテナが廃止され、ウィンドー・プリント式に変更されたのは、オフロード走行時にアンテナが木の枝に引っかかるという声に応えたものだという。またサイド・カーテンエアバッグも新たに標準装備された。一見変わっていないように見えて、細かいところは律儀に進化しているのである。

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