2024.07.11

CARS

マセラティMC20チェロの魅力、それは空がちゃんと見えること! マクラーレンともランボルギーニともここが違う【最新マセラティ3モデル試乗:前篇】

MC20チェロ、マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ、グレカーレ・モデナの3台に試乗!

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マセラティを象徴する三台

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村上 そこで今回試乗した最新マセラティの話になるわけだけど、この三台って歴史を振り返ってみると、すごく象徴的な存在とも言える。戦前のレーシング・コンストラクターの流れを汲むMC20をベースとするオープン・モデルのチェロ。オルシ家が受け継いで以降のGTカーに連なるグラントゥーリズモ。そしてクアトロポルテに端を発する実用サルーンの現代的な解釈ともいえるSUVのグレカーレ。



西川 まずMC20は、マセラティが一度すべてのヘリテイジを振り返ろうという意思を込めて造られたクルマなんですよ。なぜ必要だったかというと、マセラティも電動化など大きく変わらなくてはならない。その象徴なんです。これまで真剣に大本のレーシング・ヘリテイジを振り返ったことは、MC20の先代にあたるMC12くらいしかなかった。自分たちの歴史を再現したい、という強い意思を感じますね。

上田 チュバスコや、それがベースのバルケッタもありましたが……。

西川 両方ちょっと違うよね(笑)。どっちも量産車じゃないし。MC12も量産といえるほど数はないけど。

上田 じゃあメラクとかボーラは?

西川 あれはレーシングカーというよりGTカーだからね。



村山 MC12の12はマセラティ・コルセの12気筒搭載、という意味でしたけど、MC20の20は2020年というマセラティにとっての大きな節目の年を意味しているんですよね。

荒井 たしかにMC12に似ているけど、MC20はもっと鼻が長くて綺麗。

西川 苦労したんじゃないかな。マセラティらしさをこのミドシップのパッケージで再現するのに。

村上 最初に乗ったMC20のクーペはすごくレーシィでビックリした。エンジンはグラントゥーリズモやグレカーレでも使うことになる同じV6だけど、MC20はドライサンプだし、コックピットのすぐ背後から聞こえるから音も感触もけっこう違った。



西川 でも、チェロは力みがないんですよ。同じモデナの工場で作っていたアルファ・ロメオ4Cもそうでしたけど、カーボンの車体で屋根を外すと少し剛性が緩くなって、ちょっと甘い感じで、そこがいい。

村上 足もクーペは硬かったけど、チェロはほんとうに丁度よかった。

西川 グラントゥーリズモは少しごつごつするけどチェロはそれもない。

上田 正直、三台の中で一番気を遣うだろうと身構えて乗ったら、これが一番扱いやすくて気持ちがいい。

荒井 Aピラーが寝ていないから、すごく開放感もあるよね。

西川 回り込んでいるこのフロント・ガラスの形状がポイント。

村山 屋根を開けたときのスタイリングもすごくいい。乗員の頭上から続く2つのこぶもセクシーです。



村上 こういうレーシングカー的なスーパー・スポーツカーはたいていクーペの方がいいと思うんだけど、マセラティの手にかかると必ずしもそうじゃなくなる。

西川 ちゃんと空を楽しむようにできているんですよ。だからこそチェロ=空、という名前になっている。

村上 オープンカーの方がここまで気持ちいいスーパー・スポーツカーはなかなか珍しい。マクラーレンがそうだ、っていう人もいるけど。

上田 マクラーレンは変化の幅がもっと少ないような気がします。

西川 あの人たちは理詰めで計算している。イタリア人は感覚勝負。せっかく空があるなら走ることより日差しや風を楽しめよっていう感じ。

荒井 ランボルギーニのオープンは違いますよね。空が全然見えない。

西川 ドイツの血が入っているからね。

一同 なるほど!(笑)

◆【後篇】の話題は75周年記念モデルのグラントゥーリズモ、そしてSUVのグレカーレへと続く!

話す人=西川 淳+村上 政(ENGINE編集長)+荒井寿彦(ENGINE編集部)+上田純一郎(ENGINE編集部、まとめも)+村山雄哉(ENGINE編集部)

◆グレカーレで高速道路が走れる試乗プレゼント・キャンペーン! 締切迫る!!



■マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ
駆動方式 フロント縦置エンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4965×1955×1410mm
ホイールベース 2930mm
車両重量 1870kg
エンジン形式 水冷V型6気筒DOHCツインターボ
排気量 2992cc
ボア×ストローク 88×82mm
最高出力 550ps/6500rpm
最大トルク 650Nm/2500-5500rpm
トランスミッション 8段AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン+エア
       (後) マルチリンク+エア
タイヤ・サイズ(前/後) 265/30ZR20/295/30ZR21
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
車両本体価格 3660万円

■MC20チェロ
駆動方式 ミドシップ縦置エンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4670×1965×1215mm
ホイールベース 2700mm
車両重量 1750kg
エンジン形式 水冷V型6気筒DOHCツインターボ
排気量 2992cc
ボア×ストローク 88×82mm
最高出力630ps/7500rpm
最大トルク 730Nm/3000-5750rpm
トランスミッション 8段AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン+コイル
       (後) ダブルウィッシュボーン+コイル
タイヤ・サイズ(前/後) 245/35ZR20/305/30ZR20
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
車両本体価格 4438万円

■グレカーレ・モデナ
駆動方式 フロント縦置エンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4845×1980×1670mm
ホイールベース 2900mm
車両重量 1920kg
エンジン形式 水冷直列4気筒DOHCターボ+モーター
排気量 1995cc
ボア×ストローク 84×90mm
最高出力 330ps/5750rpm
最大トルク 450Nm/2250rpm
トランスミッション 8段AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン+コイル
       (後) マルチリンク+コイル
タイヤ・サイズ(前/後) 255/40R21/295/35R21
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
車両本体価格 1114万円

(ENGINE2024年8月号)

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