2024.07.28

CARS

612馬力の圧倒的な余裕! フェイスリフト版のメルセデスAMG GLE63クーペにモータージャーナリストの森口将之が試乗! V8の63買うなら今のうち!!

フェイスリフト版のメルセデスAMG GLE63クーペ。

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独特の鼓動と2.5トンの車重をものともしない圧倒的なパワー。やはりAMGの最高峰「63」モデルはV8エンジンに限る。モータージャーナリストの森口将之がリポートする。

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V8にこだわって選ぶ

メルセデス・ベンツAMGを象徴する数字のひとつが「63」だ。ただし、現在は排気量を示すわけではなく、AMGの最高性能版という位置付けで、モデルによってエンジンは2.0リッター直列4気筒ターボと4.0リッターV型8気筒ツインターボがある。



SUVでいえば、両者の境目はGLCとGLEの間。つまりここで紹介するGLE 63S 4マチック+(プラス)クーペはV8になる。ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4960×2020×1715mmで、日本の道ではより小柄なGLCクーペのほうが扱いやすそうだが、V8にこだわってGLEクーペの63Sを選ぶ人もいるだろう。

現行型のGLEクーペは2020年に日本に上陸し、昨年マイナーチェンジを受けた。といっても、エクステリアは新旧の写真を見比べてもランプの光り方の違いに気づく程度。インテリアは水平スポークをデュアルにした新世代ステアリングが与えられたものの、インパネは従来のままだ。





もちろん走り出せばGLCとの格の違いを見せつけてくれる。最高出力612ps、最大トルク850Nmを豪語するだけあって、フルスロットルでは2460kgという車両重量を忘れさせるダッシュを披露するのはもちろん、流しているときも滑らかなのに底力を感じるV8ならではの鼓動で、4気筒との違いをアピールしてくるのだ。

マイナーチェンジではドライブ・モードに「オフロード」が追加されたこともニュースだが、試乗は舗装路のみ。ということで「スポーツ」や「スポーツ+」を試してみた。スポーツ・モードで音が勇ましく、レスポンスが鋭くなるのは想定どおりだが、スポーツ+ではアイドリングの回転がやや高めになるなど、細かい部分まで差別化を図っていて、好き者の気持ちが分かっていると思った。



電子制御のエア・サスペンションを装備することもあり、乗り心地は落ち着いている。スポーツ・モードにすると硬くなるものの、キャラクターを考えればマイルドという表現が使えるほどだ。前後トルクを前100:後0~0:100の間でシームレスに配分するAMG 4MATIC+がもたらすハンドリングは、FRベースであることが分かる、楽しめるキャラクターに仕上がっていた。タイトコーナーではノーズの重さが気になるものの、このクルマを選ぶ人なら、V8だからと納得するのではないだろうか。

ひとまわり小柄なGLCクーペのAMGは、モデルチェンジでV8が4気筒プラグイン・ハイブリッドに切り替わっているので、「V8の63」にこだわる人は、今のうちに手に入れておいたほうがいいかもしれない。

文=森口将之 写真=茂呂幸正

(ENGINE2024年9・10月号)

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