ヤフオク7万円のシトロエン・オーナー、エンジン編集部ウエダの夏のお買い物、個人輸入に続いて今度は国内調達【シトロエン・エグザンティア（1996年型）長期リポート#46】

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シフトノブに続いて到着した、今度はかなり大きな箱。はたして中身は？

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穴のあいたフロア・カーペット

そもそも、リポート車のフロア・カーペットの状態が良ければなんの問題はなかったのだが、さすがに17万km以上を過ごしてきたせいか、運転席用はかかとが触れるあたりに、穴が空きかけていた。前オーナーは小さなマットを上からテープで貼り付けて使っていたようだが、その分ぶあついし、ややペダルの操作がしにくい。カーペット自体も何度も洗浄したものの、長年の汚れと匂いは取りきれず、雨の後など、若干室内に泥臭さが漂うこともあった。

フロア・カーペットは、ずっとこのクルマと添い遂げよう、という思いを持って新車を購入するなら、ぜひ1セット予備を購入しておくことをお薦めするアイテムの1つだ。工場出荷時のメーカーの手によるオプションほど入手困難にはならないけれど、フロア・カーペットのようなディーラー・オプションも、時間が経つとこだわって探すのは大変である。しかも必ず汚れるものだし、新品時の風合いを維持するのはなかなかに難しい。

ちなみにフロア・カーペットは僕が中古車購入時、必ずチェックすべきポイントの1つでもある。高年式のクルマだと交換されてしまうこともあるので分からないが、旧いクルマで純正オプションのフロア・カーペットのきれいな個体は、たいていオーナーの扱いが良く、程度もいい。

フロア・カーペットは専門メーカーにサイズを指定して新規に作ってもらう手もあるし、海外では“Xantia”ロゴ入りのリプロダクト品もある。でも、どっちも派手すぎたり、サイズなど精度が良くなかったりで、なかなか手が出せずにいた。とはいえフリマサイトで買い逃して以来、ちょっとしたフロア・カーペット・ブームが僕に来ていた。純正品に狙いを絞り、捜索を続行する。

ちょうどその頃、リポート車の主治医であるカークラフトの篠原勇さんから「エグザンティアの部品取り車が新潟で売っているぞ」と連絡があった。販売しているのは株式会社ゼロクラブという、イタリア車、フランス車の中古部品に特化したユーズド・パーツ・ショップである。過去にカークラフトでもプジョー406クーペのドア・モール欲しさにドアをまるごと購入したことがあるそうだ。彼は定期的にストック車両をチェックしているそうだが「エグザンティアの入庫は初めてじゃないか？」という。

新潟にあったユーズド・カーペット

さっそくウェブサイトを見てみると、中古イタフラ車の買い取りを行い、部品をそこから取り外して販売しているようで、主な取り扱いブランドはアルファ・ロメオ、フィアット、アバルト、ランチア、シトロエン、プジョー、ルノー。同じエンジン編集部のウェブ・ディレクターでフィアット・ムルティプラに乗るシオザワさんも、ゼロクラブの存在は知っていた。なんでもムルティプラが無数にヤードに並んでいるらしく、その筋では有名なようだ。どれほど広い敷地があるのか分からないが、少なくともシトロエンだけで80台近くがウェブサイトには掲載されている。

しかもそれぞれの車種ごとに細かく写真が掲載されている上に、どの部品がすでに販売済みなのかちゃんと記されている。篠原さんが見つけたのは1999年型の80thアニバーサリーというエグザンティアの限定車で、後期型で右ハンドル、オートマチックのハイドロニューマチック仕様だ。薄いブルーと、ベージュのファブリック内装という珍しい仕立ての1台である。

フロア・カーペットもフォト・ギャラリーの中で確認できたので、状態と価格を尋ねてみると、すぐに返事が来た。冬場は雪が多く部品の確認に時間が掛かるそうだが、レスポンスは素早く、疑問に対する答えは明瞭で、マフラーなどほかの部品や、ほかにエグザンティアのシート生地はないか、という僕の問い合わせにもスムーズに答えてくれる。

購入前に状態を確認してください、と送ってきた写真を見る限り、前席2枚分の後端にフロアに固定していたと思われる小さな穴があることと、助手席足元に黒い小さな染みがあるくらいで、程度はまあ、中古品としては普通の状態である。

走行6万7000kmと、リポート車の半分も走っていないのも良かったのだろう。後期型なのでリポート車の5枚タイプとは違う3枚タイプだが、やっと見つけた純正のフロア・カーペットを前に僕に迷いはなかった。価格は8,000円。送料と税金を含め、結局1万円強を支払った。
※価格は2023年7月時点のもの

フロア・カーペット（中古）　10,010円

なお、この後も何度かフリマサイトなどでチェックをしているが、純正フロア・カーペットの出品は1度しかない。もちろん中古品だし、程度も良くなく、価格はけっして安くなかった。一度買い損ねたせいで衝動買いしてしまったが、結果的には良かったようだ。

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