2024.09.18

CARS

W型12気筒を超える、新しいPHEVを搭載した新型ベントレー・フライングスパーがデビュー

2ドア・クーペの新型「コンチネンタルGT」に続き、ベントレーから4ドア・サルーン、「フランイングスパー」のニューモデルが登場した。

クーペから2か月遅れて登場

2024年5月に、スペイン・バルセロナで行われたベントレー・コンチネンタルGTスピードの国際試乗会の会場で「次に出てくるのはフライングスパーか?」と、何人かの関係者に探りを入れてみたものの、皆ニコリと笑みを返してくれるばかりだった。しかし、それから約4か月、新型コンチネンタルGTの発表から約2か月が過ぎた9月10日、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)となった新しいフライングスパーが発表された。



これまでのハイブリットとは別物

これまでフライングスパーには2.9リッターのV6DOHCツインターボと電気モーターを組み合わせてシステム最大で最高出力544ps、最大トルク750Nmを発生する「フライングスパー・ハイブリッド」がラインナップされてきたが、彼らが「第4世代」と呼ぶ新型フライングスパーに搭載されるハイブリッド・パワートレインは、まったくの別物だ。

今回は高性能モデルの「フライングスパー・スピード」からの発表となったが、その最大の特徴はコンチネンタルGTスピードと同じ、システム最大で782psの最高出力と1000Nmの最大トルクを発生する4リッターのV8DOHCツインターボとデュアルクラッチ式8段自動MT(DCT)に内包する電気モーターとを組み合わせた「ウルトラパフォーマンスハイブリッド」を搭載したことにある。



12気筒を上回る加速性能

4リッターV8ツインターボは、従来のバキューム・システムを廃止、燃圧を200barから350barにアップしたフューエル・インジェクターの採用、気筒休止システムの廃止、2基のシングルスクロール・ターボチャージャーの搭載、マッピングの変更などにより、排出ガスの削減(先代フライングスパー・スピードより90%減)、エンジン構造の単純化と軽量化を達成。先日その生産を終えた635psの6リッターW12に匹敵する、最高出力600ps、最大トルク800Nmを発生する。

一方の電気モーターも190psの最高出力と450Nmの最大トルクを発生。後席の下に配置される25.9kWhのリチウムイオン・バッテリーにより、最大航続距離76km、最高で140km/hでのEV走行が可能で、ハイブリッド・モードでの最大航続距離は829km。最大充電電力は11kWで、充電時間が2時間45分に短縮された。

現時点で車両重量や最高速度といった詳細は発表されていないが、0-100km/h加速は3.5秒とアナウンスされており、6リッターW12を積んだ先代の3.8秒を大きく上回っている。



前後重要配分をさらに最適化

シャシーも最適化が図られ、48.3:51.7という限りなくイーブンな前後重量配分を実現。新型コンチネンタルGTと同様に、ベントレー・ダイナミックライド、オールホイール・ステアリング、トルクベクタリング、e-デフを標準装備し、ESC(姿勢安定制御装置)のソフトウェアもアップデートされている。

そのほか、ダンパーのECUによって縮み側と伸び側の減衰力が別々に制御されることで、伸縮方向が切り替わるときの車体制御が向上するツインバルブ・ダンパーが、フライングスパーとして初めて採用されたのもトピックといえる。



フロントまわりを刷新

ボディ・デザインに関しては、コンチネンタルGTスピードほどの変化はないものの、冷却効果を高めるために新デザインのフロント・グリルとフロント・バンパーを採用。またリア・ディフューザーも新デザインとなっており、エアロダイナミクスの改良も施されているようだ。

ベントレーウイングが路面に映される新しいLEDウェルカムランプの備わるドアを開けると広がるインテリアは基本的に先代と同一ながら、シートには新デザインの3Dダイヤモンド・キルティングとシート中央部のパーフォレーション・パターンを採用。インナードアとBピラーにもプレシジョン3Dダイヤモンドハイドが施されるようになった。



最新のインフォテインメントを搭載

またフライングスパーで初めて、シートオートクライメートと姿勢調整ができるオプションのウェルネス・シーティング仕様が4席すべてに設定されたほか、空気イオナイザー、新しい粒子状物質フィルターを備え、ナビと連動することでトンネルなどでは自動で内気循環とするエアコンシステムの搭載など、ウェルビーイングの向上が図られているのも新型の特徴と言える。

加えてインフテインメントやコネクティング機能も充実させており、スマートフォンと連動したリモート充電ステークス、リモート・パーク・アシスト、リモート・キャビン・プレコンディショニングのほか、様々なアプリと車両を連動できるMy Bentley App Studioが搭載された。

もちろん101色からなるボディ・カラー、22色のプライマリーハイド・カラー、11色のセカンダリーシェード、4色のスプリット・カラー、8種類のウッドパネル・オプション、3種類のテクニカル・フィニッシュを用意したインテリア。さらに特装部門のマリナーによるビスポークなど、クラフトマンシップに溢れた伝統的なベントレーの世界も健在である。



文=藤原よしお

(ENGINE WEBオリジナル)

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