2024.11.04

CARS

ヘッドライトはまるでチコちゃん! フィアット500Xの実質的な後継車、EVになった600eにモータージャーナリストの森口将之が試乗した!! 愛されキャラの素質あり

森口さんが試乗したフィアット600e

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乗り心地はしっとり

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運転操作は500eと同じで、スタートスイッチを押し、インパネ中央下に並んだボタン式のシフトセレクターでDレンジを選び、スロットル・ペダルを踏むとスタートする。前輪を駆動するモーターの最高出力は156ps、最大トルクは270Nm。車両重量は1580kgに達するが、加速に不満はない。ドライブモードはエコ/ノーマル/スポーツの3種類あるが、エコでも十分だ。それ以上に感心したのは、発進停止を含めたマナーの良さ。500eでの経験が生きていると感じた。

内装は円形のメーター、2本スポークのステアリングなど、500eに似たパーツが多いが、大きくラウンドしたインパネは独自の造形だ。

500eではドライブモードによって違っていた回生ブレーキのレベルは、シフトセレクターのDボタンを押してBにすることで調節する。ただしBを選んでも、それほど強い減速は得られなかった。

ドライブしながら感心したことのひとつに、車両感覚のつかみやすさがある。加減速や操舵など、クルマの動きが自然なためもあるが、個性的な見た目から想像するよりもずっと、サイズを把握しやすかった。これはファミリーカーとして大事だ。



乗り心地はしっとりしていて、フィアットとしてはかなり快適。フランス車を思わせるほどだった。ただし高速道路では、18インチのホイールとタイヤの重さが、路面の継ぎ目などで気になることもあった。

ハンドリングはEVということでフロントの重さがなく、重心が低くなったことの恩恵を感じる。ただし脚まわりがハードではないこともあって、500eのようなキビキした動きではなく、ここでもファミリーユースを意識していることが窺えた。



「でもウチには充電設備はないし、価格は500万円以上するし」という人には、すでに本国では用意されているマイルド・ハイブリッド仕様が来年追加予定というので、そちらを待つという手もある。

2つのパワートレインが選べるようになれば、5ドア5人乗りという使い勝手の良いボディや大きすぎないサイズなどから、500に匹敵する愛されキャラになるかもしれない。

文=森口将之 写真=望月浩彦

■フィアット600e
駆動方式 前モーター前輪駆動
全長×全幅×全高 4200×1780×1595mm
ホイールベース 2560mm
トレッド(前/後) 1535/1525mm
車両重量(車検証記載前後軸重) 1580kg(870/710kg)
モーター形式 交流同期モーター
モーター最高出力 156ps/4070-7500rpm
モーター最大トルク 270Nm/500-4060rpm
変速機 1段固定
定格電圧/電池総電力量 375V/54.06kWh
一充電走行距離(WLTC) 493km
サスペンション形式 前/後 ストラット式/トーションビーム式
ブレーキ 前/後 通気式ディスク/ディスク
タイヤ 前後 215/55R18 99V
車両価格(税込) 585万円

(ENGINE2024年12月号)

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