2024.12.14

CARS

モータージャーナリストの西川淳が語る、冬のオープンカー・ドライブの魅力 空はどこまでも繋がっている! マセラティMC20チェロは最高のパートナー

まずは屋根を開けて走り出した。ちょっと寒かったけれど。

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オープンカーといえば、「空」を意味するサブネームを持つマセラティMC20チェロを外すわけにはいかないだろう。屋根を開けてのロング・ドライブで西川 淳は何を感じたのか。

旅とはそもそも過程を楽しむこと

モーツァルトを気取っていえば「旅をしないクルマ好きは不幸である」と思う。クルマは確かに地点間の移動ツールだ。でも、どんなに離れていたとしても目的地を目指すだけのドライブは決して旅ではない。旅とはそもそも過程を楽しむこと。クルマ移動はその自由度が大きい分、プロセスを楽しむということへの親和性も高い。だからこそ、運転そのものさえ楽しめるクルマをパートナーとして選べば、楽しみのバリエーションはさらに広がると思うのだ。



今回のパートナーであるマセラティMC20チェロは、間違いなく筆者好みのロング・ドライブカーの一台である。クーペ版も含め東京から自宅のある京都へ連れ帰るのはこれが三度目。仕事とはいえ、否、仕事ならばこそ、同じモデルを複数回試すことなど稀ななか、450km走らせたいという気持ちが勝って今回も選んだということなのだから……。しかもチェロはオープンだ。プロセスに変化をつけるという意味でも、オープンの価値は大きい。今回もまずは屋根を開けて走り出した。ちょっと寒かったけれど。

私のオープンカー歴はスーパーカー歴に比べて少なめ、だ。今でこそガレージにはBMWのE46カブリオーレ(通称しろかぶ)が収まるが、他には4、5台を思い出すのみで、所有歴の一割にも満たない。オープンカーが嫌いなわけでもなく(好きだ)、我が身を晒すことが苦手ということでもない。シンプルに憧れが強すぎて、似合う男になってからだ、などとかえって購入のハードルを自ら高くしてきた、ような気がする。



そうであるがゆえ、オープンにしてドライブすることの楽しさは、たとえそれが借り物でのテストドライブであっても、いつだってサーキットを懸命に走ることなんかよりランクは上。それこそガレージを出た瞬間から、ワインディング・ロードはもちろん、街中や高速道路でも心昂ってしまう。オープンカー=屋根のないクルマはプリミティヴな性能を今に伝えるスタイルだから、そういう気分になるのではないか。ドライビング・ファンの根源は、機械を操作して思い通りに動かすことにある。ならば、動いたことへの実感に風や空や匂いでコントラストをつけてくれるオープンカーに乗ることでより一層の興奮を覚えたとて、それは当然のことなのだろう。

電動のリトラクタブル・トップは走行中でも50km /h以下なら作動し、12秒で開閉する。

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