2024.12.13

CARS

240万円で手にいれた夢のカーライフ エンジン編集部アライのオープンカー、5.3リッターV12エンジンのジャガーXJSコンバーチブルは普段使いできたのか?

ジャガーを2台持ちするエンジン編集部アライの愛車との4年間とは?

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目立つクルマ

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変化は自分自身にも起きた。屋根を開けたXJSコンバーチブルを路上で見かけることが滅多にないこともあって、いつだって誰かの視線を感じるようになった。XJSコンバーチブルは目立つクルマなのだ。東京タワー近くの交差点で停まったりすると、外国人観光客がスマホを私に向けたりする。こうしたとき、どんな表情を浮かべ、どんな姿勢でいるべきか、どんな走り方がXJSコンバーチブルにふさわしいのか、というようなことを意識するようになった。いい歳をした男が乗るのだから、単に目立つだけではすまないと思うのである。

フェリーで大洗から苫小牧へ。北海道・富良野ではラベンダーが咲き誇るなかを走った。

XJSコンバーチブルへの信頼感が高まるにつれ、長距離ドライブもするようになった。なかでも2021年夏に北海道を走ったことはとてもいい思い出になっている。

5.3リッターV12の豊かなトルクに任せて、北海道の丘陵地帯を低い回転域でゆったりと進んだ。走っているのは自分たちだけで、大地を独り占めしているような気分になる。緩やかな坂を上ったり、下ったりして早朝の風を頬に感じた。XJSコンバーチブルのトロけるような柔らかな乗り心地も気分の良さに貢献していた。このクルマで来て本当に良かったと思ったものだ。帰路はフェリーが欠航して青森から東京まで自走することになったが、それがグランドツアラーとしての魅力をさらに増すことになった。購入したときは、全行程2630kmの自動車旅行ができるなんて想像しなかった。

ジャガーXJSコンバーチブルだけの集まりにも参加した。

2022年の正月休みには九州の阿蘇を走った。当初、長期リポート車のメルセデス・ベンツ300TEで行くはずだったが、バッテリー不調で動かずXJSコンバーチブルで出掛けることになったのである。

メルセデス・ベンツ300TE、ジャガーXJ6、XJSコンバーチブルという3台のなかで、最も信頼性の高いのは、いつしかXJSコンバーチブルになっていた。

これまでに大きなトラブルはない。2021年と2023年に車検を受けている。費用は35万3600円と42万4450円だった。

取材した俳優仲村トオルさんもXJ-Sコンバーチブルのオーナー。内外装色も同じだった。

XJSコンバーチブルとの4年間を通じて、クルマの楽しさっていろいろだなとつくづく思うようになった。めくるめく速度と戯れる喜びばかりではないし、キレ味するどい爽快なハンドリングだけでもない。XJSコンバーチブルでゆったりと走ると遅いという感覚ではなく、優雅さを感じることができる。

長いノーズに収まるのは5.3リッターV12という大排気量エンジンで、全長は4820mmもあるのに2人しか乗れない。この贅沢さを味わえるのは幸せなことだ。

そしてオープンのときにどんどん入ってくる風の匂いとか強さとか、街のサウンドとか、太陽の光とか、そういうものを感じるのも嬉しい。

冬は空気が凛としてハッキリとそれらを感じることができる。冬こそオープンだ。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦

(ENGINE2025年1月号)

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