2025.01.06

CARS

高平高輝の2024自動車10大ニュース 第5位は初栄冠と世紀の大逆転で盛り上がったあのイベント

2024年に自動車業界で起こったニュースの中から、モータージャーナリストの高平高輝氏の心に残った話題を10つ選び、ランキング形式でお伝えしている「高平高輝の自動車10大ニュース」。5位になったのは、復活して3度目を迎え、さらなる盛り上がりを見せたモータースポーツ・イベントです。

第5位 WRCラリー・ジャパンでトヨタvsヒョンデ

2024年WRC(世界ラリー選手権)の最終戦、ラリー・ジャパンが開催された週末、豊田スタジアム周辺は大変な熱気に包まれていた。関東地方ではあまり実感できないが、日本のモータウンたる豊田市を中心とした中部地方ではまさに街を挙げてと言えるほどの盛況だった。関係する企業だけでなく、地元自治体のバックアップの賜物と言えるだろう。ちなみに主催者代表の豊田市は、2026年からさらに3年間のWRC開催契約を更新、長期的に関わる方針である。



全13戦の最終戦

今回のラリー・ジャパンは2022年以降中部開催として3回目(開催予定だった2020~21年はコロナ禍のために中止)。WRCの日本ラウンドは、以前は北海道・帯広を拠点とした十勝地方で2004~2007年に、また札幌で2008年と2010年に開催されていた。

2024年のラリー・ジャパンは今季全13戦のうちの最終戦であり、トヨタの地元というだけでなく、ドライバーズ、マニュファクチュアラーズの両タイトルがここで決着するということでも注目を集めた。もちろん、日本人唯一のワークスドライバーであるトヨタの勝田貴元の地元での活躍も期待されていた。



トヨタが15点差を逆転

ラリー・ジャパン前の時点で、ドライバーズ・チャンピオンシップはヒョンデのヌーヴィルがチームメイトのタナックを25点差でリード(チャンピオン候補はこの2名)、いっぽうマニュファクチュアラーズはヒョンデが計526点、トヨタ・ガズー・レーシングは511点とわずか15点差で最終戦を迎えた。

有利だったヒョンデだが、最終日の朝にトップを走っていたタナックがコースアウトしたことで両チームはイーブン状態となり、最後のパワーステージ(このステージだけの順位にも5~1点が与えられる)で1&3位に入ったトヨタが逆転(最終的に3点差)でマニュファクチュアラーズ・タイトルを獲得した。ドライバーズは、これまでシリーズ2位が5回というヌーヴィルが悲願のタイトルを手にした。



もうひとりの注目選手

もうひとり名前を挙げておきたいのが新井大輝だ。父親はあのスバル遣いの新井敏弘だが、今やラリー界で新井と言えば“トシ”ではなく“ヒロキ”のこと。

今季はシュコダ・ファビアに乗って全日本ラリー・チャンピオンに輝いたが、同じマシンでラリー・ジャパンにも参戦、WRC2クラス3位(総合9位)に入賞した。WRCにレギュラー参戦していない日本勢としては最上位である。しかも彼のファビアは10年落ちとも言われる“中古車”であり、頻発するトラブルを宥めすかしながらの奮闘だった。

文=高平高輝

(ENGINE WEBオリジナル)

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