2025.02.22

CARS

ヤフオク7万円のシトロエン、ハイドロ整備と車検を終えて無事復活! シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#64

写真は羽田空港を望む某公園駐車場にて。離着陸する飛行機の姿がよく見える。「天国の日々が戻ってきた! これで憂いなく海外に行けるぞ!」と、ひとり筆者はエグザンティアの後ろでニヤニヤしていたはずだ。

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起き上がりからスムーズ

すべて仕上がったエグザンティアに乗ったのは、入庫から1カ月後の暖かな2024年3月中旬のことだった。始動時にむくむく起き上がるスピードが、以前よりずっと早い。試しにさらに車高を上げ下げしても動きは滑らかで、どこにもひっかかるような感じがない。



走り出してみると、しなやかにふんわりと路面をいなす感覚は、ほぼ修理前と変わらない。僕は口元が緩んで、ニヤニヤが止まらなかった。

ただし、高速走行時は少々変化があった。例えばリポート車がよく通る首都高速道路5号線の下り方向、早稲田出口路にあるスラロームなどでは、切り返す瞬間のノーズの入り方がやや鈍く感じられる。

でもそこ以外だと、僕が普段乗るようなシチュエーションに限れば、過去の自動で硬軟2種類のモードが切り替わっていたはずの時と、今の“ソフト・ロック”状態の差は、正直ほとんど感じられない。僕が鈍いのか、ハード側への移行条件が思ったよりレベルが高いのか……。その後、箱根の峠道も走る機会があったので、この差はまた追って報告したい。

手間を考えればバーゲン・プライス

最後になったが、4回に渡ってリポートしてきたハイドローリック・シトロエンの命、LHM配管の新規製作とシステムの検証に、いったいいくら費やしたのかを公開する。ただし車検関連の項目も含んでいる。作業の明細は以下の通り。詳細は写真ギャラリーを参照のこと。
※部品や消耗品の価格などは2024年2月末時点のもの

・LHMラインの減圧、LHM抜き取り、LHMタンク脱着
・LHMリターン・ホースとLHMタンク〜ポンプ間のサプライ・ホース改造&新規製作
・LHMタンクおよびフィルターの脱着&分解&クリーニング
・前後エレクトロ・バルブ脱着&分解&清掃&Oリング交換とソフト・ロック化
・リア・アンチシンキング・バルブ&メイン・アキュムレーター・ロア・カバーの脱着&分解&清掃&Oリング交換
・高圧パイプラインのパイプ・シール交換
・サスペンション・モードしきい値切り替えスイッチ脱着、分解、清掃、補修
上記作業工賃すべてまとめて 81,000円
・サスペンションECUおよびエレクトロ・バルブ分解、点検、各部測定 14,400円
・フューエル・フィルター交換 4,800円
・フロント右インナー・フェンダー&ベルト・テンショナー脱着、PVベルト交換 7,200円
・室内助手席前側アンダー・カバー脱着、エアコン・ポーレン・フィルター交換 4,800円
(LHM 2リットル 4,000円、リア・エレクトロ・バルブ(部品取り車アクティバより流用のため部品代なし)、リア・エレクトロ・バルブおよびセーフティ・バルブ用Oリング 8点 4,000円、リア・アンチシンキング・バルブ 5,000円(新古品)、パイプ・シール 5点 1,500円、メイン・アキュムレーター内Oリング 300円、LHMリターン・ラインと継手とチューブとスリーブとクランプなど各種ショートパーツ 23,000円、PVベルト 5,960円、フューエル・フィルター 4,500円、エアコン・ポーレン・フィルター 3,900円)

※上記とは別に、車検点検基本料金38,000円、スチーム洗車5,000円、機器による検査料7,000円を支払った。記載のないスタッドレス・タイヤ装着ホイールからノーマル・タイヤ装着ホイールへの付け替えなどはサービス。
※自動車重量税、自賠責保険、検査業務費用、登録印紙代は含まない。かっこ内は部品代。
※部品価格などはすべて2024年3月時点のもの

合計 214,360円

いかがだろう。特にLHMの流れるハイドローリック回路と配管関係は、デッドストックの高価なLHMホースを世界中から探す手間や高い輸送費と為替を考えれば、金額的にはけっして高いものではない、と僕は思う。しかも安価で信頼性も高く、今後いくらでも簡単に入手可能な日本製の継手やホースに置き換えられたのだ。むしろ配管の製作は膨大な手間を考えれば、バーゲン・プライスである。ただ、ここまでの支払い総額はついに300万円を超えてしまったけれど……。

次回は新たなLHM配管を得て、“ソフト・ロック”状態で復帰したエグザンティアで、あちこち走り回った様子を報告する。

追記
なお、この配管の新規製作から本リポート執筆時点まで約一年が経過しているが、今のところ緊急修理を要するLHM漏れは発生していない!

■CITROEN XANTIA V-SX
シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2024年3月時点までの支払い総額は309万1713円)
導入時期 2021年6月
走行距離 18万4305km(購入時15万8970km)

文と写真=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=岡村智明/カークラフト

◆エンジン編集部ウエダのシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート連載一覧はコチラ
ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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(ENGINE WEBオリジナル)

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