2021.08.09

CARS

ちょっと古いクルマだからこそセンス良く乗りたい! BMW323iに乗るイラストレーター、ソリマチアキラさん 

ちょっと古いクルマをごく自然に、ファッショナブルに乗りこなす極意を、イラストレーターのソリマチアキラさんに訊いた。

20年以上の月日を共にしている

どこか懐かしさを覚えるイラストが人気のイラストレーター、ソリマチアキラさん。洗練されたファッション・センスでファンも多い彼が、20年以上の月日を共にしているのが1982年型BMW323i(初代3シリーズE21型)である。

「学生時代からファッションが好きで、古着屋に勤めたりしていました。もちろん絵を描くことも好きでしたが、当時はまだイラストレーターになるとは思っていなかった。でも20代前半にクラブカルチャーなどを通して多くの出会いに恵まれ、イラストの道に進むことになりました。もっとも、それを専門に学んでいたわけではなかったので最初の頃は手探り状態。だから特にクルマに没頭していたわけではなかったですね」

スーパーカー世代としてクルマにはそれなりの興味を持っていたものの、現実に関わり始めたのは30代前半、2000年頃のことだった。

「30代前半のときに周りにいた人たちが、こぞってカッコいいクルマに乗り出したんですよね。いすゞフローリアンやシボレー・コルベット・スティングレイとか。そんなクルマたちを間近に見て、僕も乗ってみたいなと。免許を取るところからのスタートでしたけれど」

操作盤や計器類がしっかりとドライバーに向いた、コクピット然とした造形の運転席周り。ギアボックスは5段マニュアル。壊れやすかったハザード・スイッチは移設。

レカロ製フロント・シートは元々のシート地に合わせた素材のものに張り替えてあるそう。

初めてのクルマ選びでは、ミニやジャガー、MGといった英国車を中心に探していたそうだが、ピンと来たのはちょっと古いBMWだった。

「そもそもドイツ車はそんなに注目していなかったんですけれど、E21はちょっと面白く映って。当時の価格で50万円台とリーズナブルながら雰囲気があり、ドイツ車的な安定感があって、色も絶妙。最初だから練習を兼ねてと、軽い気持ちで選びました」

それが2.3リッター直6“スモール・シックス”ユニットを積む323iである。購入時、外装は良好な状態を保っていたが、エンジンをはじめとする機関には錆がまわり、パイプ類のダメージも多かった。購入後の10年ほどは不調が続き、騙し騙し乗っていたという。転機が訪れたのは整備工場を変えてからのことだ。

「この手のクルマ界隈でよく知られる崎山自動車さんを紹介していただき、かなりの部分が改善されました。ガソリン・タンクの交換やスターターの修理などを重ねてようやく本来の調子を取り戻し、それからやっと楽しめるようになりました」

サングラスやペッカリーのグローブもドライブには欠かせないアイテムだ。



デザイナーはポール・ブラック

仕事の合間の息抜きなど、MTを駆使しながらのドライブは軽快そのもので、必要にして十分なエンジンのパワーやスムース感があるところがお気に入りのポイント。機関等に過剰に手を入れることはせず、オリジナルを大切にしているという。

「このE21やE24型6シリーズは、ポール・ブラックというデザイナーが手掛けていて、そのセンスが自分に響いているのだなと思いました」

ソリマチさんはさらに続けた。

「クルマも生活のデザインのひとつなので、おそらくデザイナー自身はどういうセンスを持つ人がこのクルマを乗るのにふさわしいか、あるいはオーナーがどういう生活を送るかをイメージしながら作られていると思うんですよね。だから僕もそういうところを裏切っちゃいけないというのが頭にあって。いい加減な格好で乗るのはふさわしくないだろうと、デザイナーのイメージしたオーナー像を演じながら付き合っています」

ブラジル・ブラウン・メタリックという珍しいボディカラーはオリジナル。デュアル・マフラーと水平レイアウトのテール・ランプもお気に入りの箇所。

“ちょっと古いクルマ”を価格の安さで選び、修理に嫌気がさすこともある。ただ、適切にメンテナンスすれば実用に足る能力以上のものを発揮してくれる。ソリマチさんはそうしたうえで、同じクリエイターであるポール・ブラックが思い描いたテーマを自分なりに解釈し、等身大の自身のものとしてE21から唯一無二の魅力を引き出しているように見えた。

クルマに対する思いは様々にせよ、何かしらの信念を持って接すれば、自分らしく楽しい中古車ライフが過ごせるはず。そんなこだわりのある付き合いかたは、“ちょっと古いクルマ”オーナー予備軍に、ぜひとも見習っていただきたいスタイルである。

文=桐畑恒治 写真=小林俊樹

(ENGINE2021年8月号)

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