川端健嗣さん（フジテレビジョン広報局エグゼクティブアドバイザー）が、運転の楽しみを最初に覚えたのはホンダのメッキ・ゴリラだった！

荒井寿彦

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『プロ野球ニュース』、『なるほど！ザ・ワールド』、『FNS歌謡祭』など、フジテレビの多くの看板番組でリポーターや司会を務めてきた川端健嗣さん。

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フジテレビのアナウンサーに

多くの方がご存知の通り、川端さんは大学を卒業するとフジテレビのアナウンサーになった。

「忙しかったです。入社2年目に『3時のあなた』の司会に抜擢されると、もう大変でした。月曜から金曜まで朝の番組をやり、木曜と金曜は『3時のあなた』。土日は『プロ野球ニュース』でしたから」

このほとんど休みのない時代に貯めたおカネで川端さんはクルマを買う。初めてのマイカーだ。

「メルセデス・ベンツ300TD（W123）が欲しくて。でも中古でも高かったんです。結局、角目4灯のボルボ240ターボ・エステートを買いました」

ステーションワゴンを探したのはスキーのためだったという。

「子供の頃からスキーが大好きで、中学のときはスキー学校の先生になろうと思っていたほどです。ボルボが手元に来たときは嬉しかったですね。これでスキーに行けるぞ！　と」

川端さんはイエティ・スノーネットをタイヤに巻いてスキー場に通ったのだという。

「ボルボ240ターボ・エステートは角目4灯のデザインが好きでしたね。見た目は大きいんですけど、ボディが角張っているので、見切りが良く運転しやすかったです。左ハンドルは初めてでしたが、まったく問題ありませんでした」

ボルボで良かったと思ったことがもうひとつあるという。

「左前方にクルマが突っ込んで来たんです。明らかなもらい事故で前輪が内側にひしゃげるほどでした。でも、身体はなんともなかったですし、なんと事故現場から自宅まで自走できました。ボルボ、すごいなと」

このボルボとの別れはこの事故ではなく、人事異動だった。川端さんはニューヨーク支局の特派員としてニューヨークに赴任することになったのである。

「『なるほど！ザ・ワールド』のリポーターとして世界各国をまわっていたせいか、海外赴任にはまったく抵抗がなかったです。英語には泣かされましたが、ブロードウェイが持つエンタメの底力みたいなものには、本当に感動しました。1年半という短いニューヨーク生活でしたが楽しかったです」

チェックジャケット46万8600円　ベージュニット19万6900円　スカーフ6万6000円　デニムパンツ19万6900円　シューズ16万2800円（以上ダンヒル）〈問い合わせ先〉ダンヒル　Tel.0800-000-0835

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帰国後、結婚。今度は二人の生活のためにクルマが必要となった。

「結婚して最初に買ったのは中古の黒いメルセデス・ベンツでした。しばらく乗っていたんですが、これも事故にあいまして。手放すことになったんです」

奥さんといろいろと相談して、川端さんは高輪のレクサスを訪れた。ちょうどNXがデビューしたときだ。

「初代レクサスNXを妻が大変気に入って購入を決めました。レクサスには中学の同級生がいまして、定期点検のときにはわざわざディーラーまで挨拶に来てくれました」

レクサスNXがフルモデルチェンジすると、川端さんは初代から2代目へとクルマを買い替えた。同級生がすごく良くしてくれたという。

「初代よりずっと乗り心地が良くなっていますね。気に入っています」

A級ドライバーズ・ライセンスを持ち、運転が大好きな川端さんだが、サーキットでスピードを楽しむ時間はなかなかないという。

「箱根の強羅に会社の寮があるんです。そこから御殿場のアウトレットまでの峠道がいいんですよ。同乗者の姿勢を変えない範囲でコーナーを攻めるのがいまの楽しみですかね」

同乗者の姿勢を変えない範囲でというのがなんとも川端さんらしいと思った。相手を慮ることができる川端さんだからこそ、リポーターや司会などの仕事を続けることができたのだろう。川端さんと話をしていると、コミュニケーション能力が抜群に高いことがわかる。インタビューをしているのは私なのに、いつの間にか自分の話をしているのだ。

川端さんが大物タレントの番組に呼ばれたり、久しぶりに会った中学の同級生がクルマ購入に尽力してくれたりするのは、彼が相手のことをよく考え、相手のためになる仕事をしてきたからだと思う。

なるほど！　川端さんと思った。

運転も上手いに違いない。彼ならクルマとも対話ができるはずだ。

文＝荒井寿彦（ENGINE編集部）　写真＝筒井義昭　スタイリング＝Kim-Chang　ヘアメイク＝NAMI　車両協力＝アストンマーティン銀座

川端健嗣（かわばた・けんじ）
1962年、東京・銀座生まれ。1984年、立教大学経済学部経営学科卒業後、フジテレビ入社。アナウンサーとして「3時のあなた」や「FNNスピーク」のメインキャスターなどを務めたほか、「FNS歌謡祭」の司会も16年間務めた。2000年に渡米、FCI ニューヨークに勤務する。2013年、BSフジに出向し広報局専任局長に就任。2017年、フジテレビに帰任し、秘書室社長秘書役（FMH兼務）として勤務する。2019年から24年まで役員待遇会長秘書役を務め、現在はフジテレビジョン広報局エグゼクティブアドバイザー。

（ENGINE2025年4月号）

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