2025.05.21

CARS

「大人のオープンカーの理想の一台」 自動車評論家の生方聡、菰田潔、山田弘樹が試乗した色気のあるスポーツカーとは?

生方さん、菰田さん、山田さんが試乗したイタリアのオープンスポーツとは?

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「恐れ入るセッティング術」山田弘樹

グランツーリスモのねっとりと路面をつかむステアフィールとは対照的に、グランカブリオの操舵感は驚くほど軽やかだ。

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その理由をリクツで考えれば、3リッターV6ツインターボのパワー&トルクを受け止めるべく締め上げられた足周りが、オープンの4座ボディには少しばかり硬すぎて、30扁平の高剛性タイヤをクーペほどうまくは潰せていないからだとは思うのだが、だからといってその感覚がネガティブかといえば、むしろ一切の泥臭さを感じさせないエアリーな身のこなしにイタリアらしさを色濃く感じてしまうのだから、マセラティのセッティング術には恐れ入る。



本音を言えば特に今回のように冷え切った気温のときはもう少しタイヤにエアボリュームがある方がよいとは思うけれど、可変ダンパーを仕込んだ乗り心地は決して悪くない。

空から聞こえてくる“ネットゥーノ”エンジンの乾いた低音。クーペ比で100kgほど増えた車重がウソのように加速して行く優越感。550馬力の使い方を、マセラティは本当によくわかっている。

マセラティ・グランカブリオ・トロフェオ

3リッターV6ツインターボは最高出力550ps/6500rpm、最大トルク650Nm/3000rpmを発生、8段ATを介し4輪を駆動する。全長×全幅×全高=4960×1950×1380mm。ホイールベース=2929mm。車両重量=1970kg。車両価格=3120万円~。

写真=小林俊樹/神村聖

(ENGINE2025年4月号)

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