2025.04.02

LIFESTYLE

石川県小松市「オーベルジュ オーフ」×東京・外苑前「JULIA」 注目の若手フレンチ・シェフのコラボレーションを体験した!

左から「オーベルジュ オーフ」の糸井章太シェフ、「JULIA」のnaoシェフ、ソムリエの本橋健一郎氏。

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小学校を改装した小松市のオーベルジュで、2人の才能あるシェフが競演。両者の化学反応からどんな料理が生まれたのか?

発酵食品を取り入れた料理

面積の約7割が森林という石川県小松市。この緑豊かな地にひとときの安らぎ求めて、全国から人々が集まるオーベルジュがある。2022年7月に観音下(かながそ)町にオープンした「オーベルジュ オーフ」である。2018年に廃校となった地元の小学校を改装したこのオーベルジュには、パリを拠点に活躍する現代芸術家、小川貴一郎氏が手掛けた120点もの作品が館内のいたるところに飾られている。そんなオーベルジュに滞在するゲストにとって、一番の楽しみといえばやはり食である。「オーベルジュ オーフ」では、2018年に26歳の若さで日本最大級の料理コンペティション「RED U-35」でグランプリを受賞した糸井章太シェフによる、繊細にして独創的な料理の数々を味わうことができる。


地元の小学校がオーベルジュに変わった


客室にも現代芸術家、小川貴一郎氏の作品が飾られている。


1階のレストラン

この糸井シェフ、実は日本全国のレストランで活躍する人気シェフとのコラボレーションを積極的に行っている。今年2月には、自らのホームグラウンドで初めて女性シェフと競演した。東京・外苑前にある「JULIA(ジュリア)」のnaoシェフだ。naoシェフはレストランのPR担当やリゾートホテルの新規開業スタッフなどの職を経て、29歳で料理人の道を歩み始めた異色の経歴の持ち主。ニューヨークにあるミシュラン一つ星レストランなどで修行を積み、2017年にソムリエである夫の本橋健一郎さんと共に「JULIA(ジュリア)」を立ち上げた。それからわずか数年で、月替わりのコース料理とドリンク・ペアリングを堪能できる名店として知られるようになり、「ミシュランガイド東京」では2年連続で同誌のセレクテッドレストランに選ばれている。

小松空港からクルマで約30分。「オーベルジュ オーフ」がある観音下町は、国会議事堂にも使われている日華石の採掘場があることで有名で、オーベルジュからはその石切場を臨むことができる。また建物のすぐ近くにあるのは、92歳の現役杜氏による酒蔵、農口尚彦研究所。そのため地元の食材をふんだんに取り入れた当日の2人の料理にも、米麹や酒粕といった発酵食品が随所に取り入れられていた。

この1日限りの特別なコラボレーション(ランチとディナー各1回)では、糸井シェフとnaoシェフによる料理が交互に供された。まずは糸井シェフの料理から紹介すると……。農口尚彦研究所の酒粕を使用した「粕汁 蕗のとう」は、柔らかな蕗のとうと粕汁との相性がよく、優しい味わいが印象的。「さば 大根 ねぎ」では、新鮮なさばに、軽やかな湯葉のソースがよく合っていた。そしてメインの「仔羊 ほうれん草」では、素材の美味しさを生かしたシンプルな調理法のものと、仔羊のソーセージをほうれん草を練り込んだトルティーヤで巻いたものが出された。いずれも、糸井シェフの火入れのうまさを象徴する料理だ。そして締めのご飯は、なんと天然すっぽんの出汁をかけた、のどぐろの蒸し寿司。


粕汁 蕗のとう


さば 大根 ねぎ


仔羊 ほうれん草


のどぐろ すっぽん

一方のnaoシェフの料理は、彼女が得意とする柑橘系の酸味をうまく生かしたもの。「白子 カリフラワー 八朔」は、プルプルの白子にカリッとした衣をまとわせ、そこにカリフラワーのピューレや八朔の粒が散りばめられている。「甘鯛 かぶら ラズベリー」は、カリカリとした甘鯛の皮部分と、柔らかな身の部分のコントラストが見事。ラズベリー・ソースのほかに梅のソースも添えられていた。そしてコースの最後を飾るデザートは「チョコレート 白味噌」。白味噌の甘みがチョコレートの味を引き立てる。


白子 カリフラワー 八朔


甘鯛 かぶら ラズベリー


チョコレート 白味噌

ソムリエの本橋さんによるドリンク・ペアリングにも農口尚彦研究所の日本酒がふんだんに登場したが、これらの日本酒も梅干しの出汁や、柑橘類・コーヒーのエキスなどが加えられた、ひと手間かかったものが多かった。それぞれのペアリングに驚きと楽しさがありながら、全体的には発酵食品を随所に活用した、2人のシェフの料理に見事、寄り添うものだった。

才能あるシェフの料理を旅先で味わうことができるのは、それだけで最高の贅沢である。だがそのシェフが2人、さらに個性的なソムリエまで加わると、食の楽しみは何倍にも膨れ上がる。まさに糸井シェフとnaoシェフ、そしてソムリエ・本橋さんのコラボレーションは、東京から小松にまで足を運ぶのに十分、値するものだった。「オーベルジュ オーフ」ではこれからも年に数回、全国のシェフとのコラボレーションを行っていくという。果たして次はどんなシェフとの間に、美味しいケミストリーが生まれるのだろうか。



■オーベルジュ オーフ 2名1室利用の場合の1名料金 45,600円〜。宿泊以外のゲストも利用可能なレストランは28席。土日祝のみ昼も営業。館内のカフェ(12席・11:00~17:00)ではテイクアウトも可。石川県小松市観音下町ロ48 TEL.0761-41-7080 休(レストラン・カフェ)火・水(祝日の場合は営業)。

文=永野正雄(ENGINE編集長)

(ENGINE Webオリジナル)

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